2018年度医学部入試 合否を左右!特徴的な入試問題(化学編)

カテゴリ : 医学部受験

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今回は、名門会で医学部受験の化学を担当している田村敏夫先生に、2018年度入試で合否を左右した特徴的な入試問題について紹介していただきます。

□医学部受験 化学担当:田村敏夫先生(東京理科大学卒)

【合格実績】 京都大(医・工・文・理)、大阪大(医・工)、岡山大(医・歯)、大阪市立大(医)、京都府立医科大など

【合格実績】 京都大(医・工・文・理)、大阪大(医・工)、岡山大(医・歯)、大阪市立大(医)、京都府立医科大など

□2018年度医学部入試 国公立大 特徴的だった問題(対象:関西圏8大学)

■神戸大学 第2問(理論化学)

理論分野からの出題については、例年だと標準レベルの問題が出題されますが、今年の第2問は「化学平衡」の分野から、難易度が高め(標準レベルを超える)の出題となりました。制限時間内で高得点が必要な入試(大問1題におよそ15分程度しか使えません)ですので、この第2問で得点ができなかった受験生も多かったのではないかと思われます。
問題文中に実験方法が書かれていますが、非常に長いリード文となっており、何回も読んで理解(確認)をしていると時間が足りなくなるような問題でした。
この実験方法は、「モール法」(問題が複雑になりがちです)とよばれますが、モール法の実験方法や原理を把握した上で、十分な問題演習を積んでおかないと制限時間内での高得点が望めない問題でもありました。
同じ傾向の問題が繰り返し出題される神戸大学において、珍しい出題であったと言えます。

モール法対策の秘訣 留意点・教材
対策1 詳しい参考書で、「モール法」の原理を理解し、実験方法の流れを理解する 重要問題集・新演習・新研究等に掲載されている内容を見直す
対策2 「モール法」について出題されている問題を集めて、演習を行う セミナー化学・重要問題集・化学標準問題集・化学標準問題精講などから問題を選んで実施しておく

 

□2018年度医学部入試 私立大 特徴的だった問題(対象:関西圏4大学)

■大阪医科大学〈前期試験〉 第2問(理論化学)

理論分野からの出題は、標準レベルまたは発展レベルの問題が出題されます。また、発展レベルの問題の場合は、①理論的に難しい または ②計算力が必要で難しい のいずれかに分類される問題です。
今年は、「共有結合」に関して理論的に難しい問題が出題されました。難問によく見られる「問題文中に考え方のヒントが与えられて」いましたが、これを自分なりに解釈して正答を導くのがかなり難しかったと思います。
見た目の難しさに惑わされずに、問題文をよく読めば解答の道筋が見えることがあります。難しそうに見える問題ほど、じっくりと問題文を読んでみることが重要です。特に、今回の問題では「オキソ酸」の構造式を知っていれば、そこまで難しい問題と感じなかった人もいたかと思います。

共有結合対策の秘訣 留意点・教材
対策1 詳しい参考書で「共有結合」の考え方を理論的に理解して、主な化合物の構造式をかけるようにしておく 共有結合(特に配位結合)の考え方が重要です。化学物の構造式(硫酸・リン酸・塩素酸)を確認する
対策2 化学結合(頻出分野)のため、問題演習を十分に行い、原理原則を理解しておく セミナー化学・重要問題集・化学標準問題集・化学標準問題精講などの問題集での繰り返し演習をしておく

 

□田村先生より:医学部受験生の皆さんへメッセージ

受験生一人ひとり、対策が必要な分野・内容についてはさまざまです。できるだけ早く、信頼できる指導者に「あなたの弱点を克服する」アドバイスや添削を受けてください。合格する生徒は、戦略に基づき、日々わずかな「差」を積み重ねています。
今年合格を勝ち取った生徒たちの中で、印象的だった生徒をご紹介します。

【生徒について】

医学部受験を重ね、今年2浪となる生徒でした。数学や物理が非常に得意なことも影響してか、化学の理論分野(特に計算)については極めて優秀な生徒でした。しかし、知識分野である「有機化学・無機化学・生命分野」が極めて苦手なため、(ココに課題があり)これまで合格が取れなかったと感じておりました。
今年は、1年間の学習計画を立てた際に、苦手克服だけではなく、「理論分野をさらに伸ばしていくこと(超一流にする)」にも目を向けつつ、どうしても克服してこれなかった「知識分野を得点源にする」という方針で指導を重ねました。結果、関西医科大学に正規合格(特待合格)することができました。

【指導内容】

1年間を3期に分け、前期:理論分野/中期:有機分野/後期:無機分野の学習を行いました。

○前期:理論分野
「共有(イオン)結合」・「物質量の計算」・「酸化還元・電気・電池分解」・「熱化学方程式」については、条件が複雑になり計算も煩雑になることが多いため、細かい点も(漏らさず)理解をして把握をしてもらいました。

○中期:有機分野
ノートを作り、体系的な学習に努めてもらいました。体系的に学習をすすめ、「忘れにくい」および「思い出せる」(つながりが分かるため)を意識して行いました。

○後期:無機分野
大きな二つの柱となる、①気体の製法 ②金属の反応 を押さえてから、漏れのないように細部まで知識整理と暗記を繰り返し実施しました。最初に大きな柱を2つ覚えさせることで、パターン化して暗記をしやすくすることを狙いとして進めました。

【指導の経過と状況】

どうしても苦手な知識分野の勉強が後手にまわりがちだったため、理論の計算分野と並行して実施をしたり、語呂合わせで暗記をしたりすることで、苦手意識も少しずつなくなっていったようです。
どうしても単純暗記に時間を費やす気になれない時は、どうすればよいのか?を伝えることによって、少しずつ本人の意識が変化していったようでした。


 

医学部をはじめとする、最難関大学の入試では合否を左右する“カギとなる問題”が必ず存在します。
他の多くの受験生が、得点できない・敬遠した問題で、どこまで点数を稼げるかが得点差になります。

最難関である医学部を受験するなら、苦手弱点単元や分野を残すようでは、合格は望めません。得点源の教科で大きく得点を稼ぎ、苦手弱点教科でも平均点が取れる実力が必要です。

名門会では、受験のプロである教務担任が「合格」から逆算した個人別カリキュラムを作り、授業を担当するプロ教師との二人三脚で、夢の志望校に向かって“あなたの強みを最大の武器にする”ための指導を行っています。

まずは、あなたの夢の志望校を決めてください。夢を達成するためのカリキュラムを作成することはもちろんですが、一番大切な「カリキュラムの実行支援」を行って、合格までしっかり伴走いたします。

文責:S.H

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