2018年度医学部入試 合否を左右!特徴的な入試問題(物理編)

カテゴリ : 医学部受験

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今回は、名門会で医学部受験の物理を担当している小山孝一先生に、2018年度入試で合否を左右した特徴的な入試問題について紹介していただきます。

□医学部受験 物理担当:小山孝一先生(京都大学卒)

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【合格実績】 京都大(医)、京都府立医科大(医)、神戸大(医・歯)、広島大(医)、大阪医科大(医)など

□2018年度医学部入試 国公立大 特徴的だった問題(対象:関西圏8大学)

■大阪大学 第3問(原子物理融合問題)

ここ10年ほど、出題されていなかった原子物理が、現行課程で初めて出題されました。第3問をAとBに分け(AとBは独立した問題)、Aで出題されたのは「ボーアの量子条件」に関する問題でした。原子分野の設問については平易でしたが、力学や電磁気と融合された問題となっており、今までに見かけたことがない出題に戸惑った受験生も多かったのではないかと思われます。

原子物理対策の秘訣 留意点
対策1 融合問題(難問)には、必ず誘導がある。問題文を忠実に読み、誘導に従っていくこと 誘導に丁寧に従って解いていけば、完答に行き着けることも多い。問題条件が複雑になる傾向が強い(題意が捉えにくい)ので、問題文をしっかりと読み解く力が物理でも必須
対策2 原子分野が初めて出題されたが、今後も、最難関大学では、単独ではなく融合問題として出題される可能性が高い 教科書の基本レベル問題は短時間で正確に処理できる力を養いつつ、難問にも対応できる力を並行して養っていく必要がある

□2018年度医学部入試 私立大 特徴的だった問題(対象:関西圏4大学)

■大阪医科大学 〈前期試験〉 第3問(原子分野)

小問集合(2017年より大問4)の中で2016年から原子分野が復活しましたが、2017年~2018年は第3問で大きく取り扱われてきています。昨年出題された原子分野の問題は平易でしたが、2018年度は「ベクレル」という単位と「半減期」について出題されており、「ベクレル」という単位の意味が分からない受験生にとっては手がつけられなかったものと思われます。
今後も、原子分野については出題される可能性が高いため、「ベクレル」はもちろん「シーベルト」や「グレイ」の意味を理解しておきましょう。 なお、小問集合では物理量をMKS単位で示す問題が出題されたましたが、LとCの単位は知らなくても、周期T=2πスクリーンショット-2018-06-13-14.32.56_03を知っている人には容易であったと思われます。

原子分野対策の秘訣 留意点
対策1 ベクレル(Bq)について正しい知識を身に付ける。また、シーベルト(Sv)やグレイ(Gy)についても理解をしておく ベクレル・シーベルト・グレイを正確に理解し、その違いについて確認をしておく
対策2 ばね振動(周期T=2πスクリーンショット-2018-06-13-14.32.56_07)と電気振動(周期T=2πスクリーンショット-2018-06-13-14.32.56_11)の対応関係については頻出テーマなので確認をする 電気振動回路の公式など、重要な公式の成り立ちや意味を必ず確認しておく

□小山先生より:医学部受験生の皆さんへメッセージ

本年度、担当していた生徒の中から、印象的だったF君の事例をご紹介します。浪人生に非常に多い事例です。

【F君の状況】
一浪に入ったところで、指導を開始しました。課題は、現役時代に大学入試の対策があまりできておらず、原子分野・交流などはほとんど手が回っていないばかりか、波動や熱力については表面的にしか対策ができていないことでした。

ポイント
独学で勉強を進めると、どうしても分野の偏りが発生しがちです。F君のように苦手弱点箇所が散在するというケースは決して珍しくありません。勉強しやすい・理解しやすい単元と、背景からしっかり説明したり、相応の演習量を積んだりしないと自分のものにならない単元などには、かなり大きな開きができてしまうのも物理の特徴です。

【指導内容】
力学の基本は理解できていましたが、他の分野の演習はほとんどできていませんでしたので、対策として学校の授業で使っていた「リードα」をベースに指導を行いました。
力学は当初の見込み通り、発展問題のみを取り扱うことで順調に進みました。
他の分野の方は、演習形式の指導だけでは力がつかないと判断し、各分野のポイントや考え方を整理し、その上で基本問題から発展問題の演習を取り扱いました。

ポイント
この時点で、それ相当の時間がかかることを覚悟しましたが、ここを避けて通ることは決して出来ないため、生徒にも覚悟を決めてもらいました。浪人生になると、この決断ができない生徒が非常に多くいます。

取り扱う分野が多く、とにかく時間がかかったため、春の模試はもちろん、秋の模試でも医学部合格にはほど遠い状態でした。
しかし、「焦る必要はない。できなくても当然。今やっていることをしっかりと理解できれば、それでよい」と繰り返し伝え続けてきました。
口にはあまり出しませんでしたが、本人や保護者の方にも相当な焦りがあっただろうと思います。それでも、教師のことを信じてついてきてくれたのは非常にありがたかったです。

【指導の経過と状況】
狙い通り、一通り「リードα」が終了する頃には確かな学力(問題の難易度に左右されず、どんな問題でも自分なりの方針を立てて解答を進めることができる力)を身に付けていました。
宿題をしっかりとやったことはもちろんですが、復習の仕方も非常によく、「しっかりと時間をかけて丁寧な復習」(受験が近づいたり、模試の結果が悪かったりすると、これができなくなります)を続けていたことが結果に表れたのだと思います。教師を信じてくれただけではなく、今の自分がやっている勉強を信じ、自分を信じてくれたことも非常に大きな意味がありました。


医学部をはじめとする最難関大学の入試では、どんなに準備をしても、今までに見たことがない問題(合否を左右しうる問題)に直面することがあります。その問題への対応如何で、受験生一人ひとりの真の学力が問われているのです。

土台となる基礎学力があれば、「問題の切り口を見つけて題意に沿った解答をするために、今の自分に何ができるのか?」を冷静に見極め、適切な対応を取ることができます。

焦り・不安・心配は、全ての受験生につきものですが、あなたは今までやってきた勉強を、自分自身を信じることができますか? また、信頼できる指導者がついていますか?

名門会では、受験のプロである教務担任が、「合格」から逆算した個人別カリキュラムを作り、授業を担当するプロ教師との二人三脚で、夢の志望校に向かって“あなたの強み”を最大の武器にするための指導を行っています。
受験生につきものの、焦り・不安・心配といったメンタル面のフォローもいたします。心配なことがあれば、何でもご相談ください。あなたの夢の第一志望校合格まで、しっかり伴走いたします。

文責:S.H

 

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