「清泉女学院中学高等学校」
中学・高等学校の先生に聞く！　中学受験帰国生入試レポート

2024年12月06日(金曜日)

地方都市から海外まで、どこからでも名門会の指導を受けることができる“本物”の双方向オンライン授業！　名門会Onlineは、海外在住の生徒様のうれしい志望校合格の報告を多数いただいております。
世界各国にいらっしゃる生徒様の夢の第一志望校合格に向けて燃え上がる名門会Online取材チームが難関校・名門校にお邪魔し、帰国生入試の気になる情報を直接リサーチしてお届けします！

神奈川県鎌倉市にあり、聖心侍女修道会を母体として創立された中高一貫の女子校「清泉女学院中学高等学校」は、豊かな自然環境とカトリックの教えのもと「平和の種をまく人」を目指す教育を提供しています。今回は、北宮先生にお話をお伺いしてまいりました！

＜写真：校舎外観＞

―「実際に見て触れて学ぶ」
大船に広大な敷地をもつ同校は、校内の豊かな自然環境を活かした授業を行っています。
中学1年生の理科分野では、桜、タンポポ、シダ、苔などの校内に自生している植物を観察します。
入学したての中学1年生は、タンポポ分布調査の授業で、在来種である「カントウタンポポ」と外来種の「セイヨウタンポポ」がどこにどのように自生しているのかを調査します。
生徒たちは、広い敷地内で元気に声をかけ合ってタンポポを探し、その結果を自分で地図にします。
さらに、「どうしてこのような分布となっているのか？」という問いにそれぞれ仮説を立てて検証、考察し、レポートを完成させます。
“実際に体を動かし、経験することで得られる学び”を大切にしている同校の学習を実際に経験する、新入生の登竜門となっている授業です。

＜写真：1階2階合わせて1210席ある講堂＞

―「My Story Project」
「My Story Project」は、中学3年間を通じて取り組むプログラムです。
中学１年生、中学２年生の準備講座を通じて、課題を発見する力や情報収集能力、情報分析力などを養い、中学３年生の5月頃に個々に研究テーマを決定します。
テーマは学術的なものに限らず、生徒が好奇心をもって取り組める内容を選ぶことができます。1つのテーマにしっかりと向き合い、あきらめずにやりきるプロセスを大切にしているためです。
生徒が設定したテーマの一覧から、教員が担当するテーマを決め、生徒と顔あわせをします。
担当教員は、生徒が好きなことや趣味から生まれた課題を生徒とのやり取りを重ねる中でアカデミックなところにまで引き上げます。
このようにして、1年をかけて探求したテーマは「論文」や「プレゼンテーション」、「作品づくり」とさまざまな形で発表されます。
これまでのオリジナリティあふれる探究の中には、「性能の高いプリント印刷機とは」というテーマのもと、あらゆるプリント印刷機の機種の機能をそれぞれ点数化し、点数が高いものが果たして人気の機種なのか？というユニークな問いに答えたものがありました。
また、複数の国にまたがって位置する「国境を越える世界遺産」をどのように保全していくべきかを探求していた生徒は、興味関心がさらに広がり、文部科学省後援の世界遺産検定において最上級の「マイスター」の認定を受けるまでに至ったとのことです。

＜写真：約64,000冊の蔵書がある図書館。司書教諭が2人常駐している＞

―「国境を越えて分かち合う仲間」
聖心侍女修道会の4名の外国人シスターによって創立された同校は、世界中に同じ志をもって教育する姉妹校が約50校あります。
世界約20カ国にある姉妹校とは、語学研修や奉仕活動を共に行い交流しています。
8月に行われている2週間の「アイルランド語学研修」は、ホームステイをしながら前半は語学学校で学び、後半は姉妹校であるSt Raphaela’s Secondary Schoolでシスタースチューデント（姉妹校生）と交流をします。
同じ校章、同じカトリックの教えを受けている生徒同士交流することで、世界中に同じ価値観をもち、分かち合える仲間がいる経験をします。
全日程にわたって、同校教員が同行するので、初めて海外へ行くという生徒も安心して参加しているそうです。

「ボストンカレッジ研修Ever to Excel」は、米国名門大学ボストンカレッジで開催されているリーダー研修プログラムで、日本からは同校と親交の深い栄光学園と共に参加します。
1週間、ボストンカレッジの寮に泊まり、現地の学生と栄光生と共にグループワークを行います。
国境や性別を超えた仲間たちと共に、友情や愛といった哲学的なテーマについて考えることで、不変の価値観を見つめる貴重な経験になるとのことでした。

＜写真：北宮先生＞