「獨協中学・高等学校」
中学・高等学校の先生に聞く！　中学受験帰国生入試レポート

2024年12月11日(水曜日)

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世界各国にいらっしゃる生徒様の夢の第一志望校合格に向けて燃え上がる名門会Online取材チームが難関校・名門校にお邪魔し、帰国生入試の気になる情報を直接リサーチしてお届けします！

東京都文京区にあり、伝統ある完全中高一貫男子校の「獨協中学・高等学校」は、系列校に獨協医科大学をもち、明治の設立当初から高い医学部系への進学率を誇っています。今回は、古池先生にお話をお伺いしてまいりました！

＜写真：校舎外観＞

―「伝統に基づいたドイツ語教育」
同校は1883年（明治16年）に獨逸学協会学校として創立されました。当時世界の最先端と言われたドイツ文化を、日本に取り入れる目的で設立されたのが学校名の由来となっています。開学の精神は現在でもしっかりと受け継がれており、中学3年次から第2外国語としてドイツ語を学ぶことができます。また、ドイツ外務省がドイツ語を学ぶ世界中の学校（約2000校）を対象にパートナーシップ協定（PASCH・パッシュ）を結んでいますが、同校も日本の6校中の1校として、PASCH 認定校として選ばれています。
同校では、国際基準のドイツ語授業を学べる他、奨学生としてドイツへの短期留学、ドイツ語検定試験の挑戦、ドイツ企業への訪問など、さまざまな機会を得るチャンスがあります。2024年度は、本校から2名の生徒が奨学生に選ばれた他、国内選考を１位で抜け、世界中から数百万人が参加する「国際ドイツ語オリンピック」に日本代表として出場を果たした生徒もいます。さらには学校独自の取り組みとして、2校のドイツからのホームステイ受け入れや、ドイツから日本語の教員免許を取得するための「教育実習校」としても活動しています。ドイツ語履修は希望制になってはいますが、履修をしていない生徒も、日常の学校生活から「ドイツの風」を感じることができる環境になっています。
なお、同校ではイギリスやニュージーランドのホームステイの他、ニュージーランドのターム留学、アメリカのサイエンスツアー（イエローストーン国立公園）、ドイツ研修旅行、ハワイ修学旅行なども実施しています。

＜写真：多様な授業に対応している教室TECLab＞

―「東京の真ん中で学ぶ環境教育」
環境先進国として活躍するドイツに習い、同校でも伝統的に環境教育に力を入れて取り組んでいます。
その一つであるビオトープは、貴重な植物種を茂らせ、太陽光発電によって循環された池と小川を設置し、なるべく自然に近い状態を維持できるよう日々手入れをしています。
多様な微生物が生育できる環境を整えることで、現在ではヘイケボタルが自生するなど、同校の環境教育のシンボルとなっています。

＜写真：ビオトープ＞

校舎屋上には屋上菜園があり、「緑のネットワーク」という環境委員会を中心とした生徒たちによって管理されています。
毛細管現象を利用し水を吸い上げることによって水まきをしなくていいシステムを制作。小さなプランターで、効率よく野菜に栄養を与えられる鶏糞償却物を再利用した肥料を活用しています。屋上菜園での野菜づくりは、食料危機に向き合う研究にもつながっています。
また、夏場は緑化を利用して廊下の温度を下げる取り組みにも挑戦しています。

＜写真：屋上菜園＞

―「社会の優等生として上品な人間の育成を」
同校は、創立時からグローバルな環境を背景に持っている学校ですが、戦後の獨協教育の礎を築いた天野貞祐（第13第校長）が掲げた「教養と理性を重視し、生徒の中に上品な人格を形成する」という教育理念も、現在まで脈々と受け継がれています。
生徒の自主性を尊重し、細かなルールや校則を設けず、「知性と上品さ」を持って生徒自身が適切な答えを導く教育を心掛けています。これによって、将来予測困難な社会においても他者を敬い、他者のために率先して動くことができる「社会の優等生（社会貢献できる人材）」として活躍してくれることを目標としています。

部活動、文化祭体育祭などの行事は中高合同で行われていて、縦のつながりが深く、面倒見の良い生徒が多いようです。
東京の中心にありながら豊かな自然環境に恵まれ、生徒に寄り添った教育の中で学校生活を送るため、非常に穏やかな性格の生徒が多いとのことでした。

＜写真：古池先生＞