実際に話を聞いて肌で感じた学校情報 第14回 栄東中学校

カテゴリ : 学校情報, 学校説明会報告

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名門会教務本部の担当者が、実際に学校を訪問してみて、肌で感じた生の情報をご紹介!第14回目の今回は、栄東中学校をご紹介します。

2016年11月23日(水・祝)8:40~10:20に実施された、同校の学校説明会に参加してみてのレポートとなっております。志望校、併願校を選ぶ際の一つの参考になれば幸いです。

学校名 栄東中学校
所在地 埼玉県さいたま市見沼区砂町2-77(JR宇都宮線東大宮駅より徒歩10分)
ホームページ http://www.sakaehigashi.ed.jp/

 

■学校概要

◯教育理念

  • 建学の精神…「人間是宝」(にんげん これ たから) → 人間は誰もが素晴らしい資質を持った、宝の原石です。
  • 校訓…「今日学べ」(こんにち まなべ)→今日のことは今日やり、勉強も仕事も明日に残さない。

◯学校の特徴

  • 「アクティブ・ラーニング」が盛んです。これは、教科授業や校外・校内、クラブ、キャリアにおいて行われている縦断的・横断的な学習形態であり、ただ「これは○○だから覚えなさい」と知識を教え込むのではなく、「なぜこれが成り立つのかを自分で考えてみよう」という理屈に拘った指導がなされています。それだけでなく、グローバル化が進む今、世界に貢献できる人材育成に向け、英語を用いて会話やプレゼンテーションを行ったりしています。私がビデオ視聴した時、中学生でも日常会話レベルの英会話が出来ている生徒が多く、個人的に感銘を受けました。
  • カリキュラムも盛んです。主に、「東大クラス」と「難関大クラス」と分かれており、ともにアクティブ・ラーニングを教育の根幹に据えて学ばれているようです。後述しますが、東大をはじめ数多くの名門大学合格者が出ています。非常に進学実績が優れているといえるでしょう。

 

■進学実績

※大学名(現役合格者数,合計合格者数)

  • 国公立大学
    東京大(17,27)、一橋大(3,4)、東京工業大(1,1)、東京外国語大(4,4)、筑波大(15,15)、千葉(14,17)、埼玉(25,29)、横浜国立大(9,10)、北海道大(4,6)、東北大(5,9)
  • 私立大学
    早稲田大(131,179)、慶應義塾大(47,75)、上智大(24,28)、東京理科大(125,151)、明治(106,135)、青山学院大(10,15)、立教大(53,61)、中央大(30,49)、法政大(80,100)、学習院(28,36)
  • 薬学部
    慶應義塾大(1,3)、東京理科大(1,2)、北里大(2,3)、星薬科(5,5)、明治薬科(5,8)
  • 医学部医学科
    東京大理Ⅲ(1,1)、東京医科歯科大(1,1)、自治医科大(1,1)、筑波大(2,2)、東京慈恵会医科大(1,2)、日本医科大(2,4)、順天堂大(2,4)、昭和大(3,3)、東京医科(3,3)

他多数合格

 

■入試情報

◯2017年入試情報

クラス 難関大 東大特待 難関大 東大 東大
試験日 1/10(A日程) 1/12(東大Ⅰ) 1/16(B日程) 1/18(東大Ⅱ) 2/4(東大Ⅲ)
募集人数 140
うち東大20
難関大120
30 30 30 10
受験科目
(配点)
国語(100)
算数(100)
社会・理科(計100)
国語(150)
算数(150)
社会(75)
理科(75)
国語(100)
算数(100)
社会・理科(計100)
国語(150)
算数(150)
社会(75)
理科(75)
国語(150)
算数(150)
社会(75)
理科(75)
受験料 2回まで20,000円。その後、1回につき10,000円

★入試の出題方針・概要

「ここが試験に出る」という情報や「こういう勉強をすると良い」というアドバイスも収集しました。それを交えての入試出題方針・概要をまとめましたので、ご覧下さい。

●【国語】

  • 試験時間

    50分

  • 出題方針

    栄東中の国語科では、2020年度の教育改革を見据え、卒業後も必要とされるコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力等の「人と繋がるための力」の育成を意識した学習プログラムを実施しているそうです。卒業後に、自分とは価値観の異なる他者の存在を認め協働することは、子供たちがこれから生き抜いていくグローバル社会で、今以上に求められるようになるでしょう。そうしたことをうけて、入学後の国語学習の土台となる基礎的知識や読解力のほかに、他者と積極的に繋がろうとする姿勢や、論理的に自分の考えを表現する力を試す方針です。

  • 出題概要

    • 言葉に関する基礎知識
      漢字や語句、諺、慣用句、文法事項等の知識分野で、配点の2割程度出題されます。
    • 文章題
      原則として、文学的文章と説明的文章の二題構成となっており、文章の総字数は約8,000~10,000字程度掲載されます。
    • 言葉に関する基礎知識
      漢字や語句、諺、慣用句、文法事項等の知識分野で、配点の2割程度出題されます。

    文学的文章のポイントは、「登場人物の心情をとらえているか」です。今年度は、草野たきさんの作品が出題されるようです
    説明的文章のポイントは、「筆者の主張をとらえているか」です。
    解答形式は、抜き出し、選択肢、記述が混在しています。選択肢は本文内容一致・不一致問題が出題されるので、先述した「登場人物の心情」「筆者の主張」を正確に捉える力が欠かせられません。
    東大クラス入試では記述の割合が多くなります。記述式の問題では、本文中から正解を読み取って表現するだけでなく、自分の経験を踏まえて意見を記述する等、「自分で正解を創る」問題が出題されることがあります。
    文字が読み取れなければ減点となるので、要注意です。

●【算数】

  • 試験時間

    50分

  • 出題方針

    中学生になると「算数」が「数学」になります。「算数」は実生活で出会う数を正しく計算するという結果を重視する教科です。一方「数学」は日常では体験できないことを数で論理的に推測するという過程を重視する教科です。そこで、入試では正しく計算できるか、数学的な考え方ができるかという2つの力を測られます。

  • 出題概要

    • 小問集合
      難関大クラスA・B日程では大問1にて東大クラスよりも多く出題されます。
    • 規則性
      基本的及び理論的な考えを問う問題が出題されます。比較的点数の取りやすい問題となっています。
    • 平面図形
      東大クラス・難関大クラスともに出題されます。辺の比を用いる問題、面積に関する知識を問う問題、角度を求める問題が主に出題されます。
    • 空間図形
      東大クラス・難関大クラスともに出題されます。立体図形を切断する問題、切断面の面積、体積の問題が主に出題されます。この単元が、合格者と不合格者の正答率に最も差が出るといわれています。
    • その他
      東大クラスは、論述問題や図示する問題があります。(A・B日程はなし)これらは加点方式なので、解答まで至らなくても途中式や考え方が正しければ部分点がつきます。

    また、円周率は3.14とするので、計算ミスがないよう注意が必要です。それから、「0」と「6」、「1」と「7」と「9」がはっきりわかるように丁寧に書くことも大切です。さもなければ不正解になります。

●【社会】

  • 試験時間

    東大クラス:40分 難関大クラス(A・B日程):理科と合わせて60分

  • 出題方針

    各日程ともに、地理・歴史・公民の各分野から出題されます。配点の割合は2:2:1で例年と変更ありません。
    地理では、『日本地理』が中心に出題されますが、貿易等日本とのつながりのある国についても問われることがあります。なお、東大クラスでは『地形図』の問題も出題されます。
    歴史では、時代問わず、古代から現代までが出題範囲となります。
    公民では、『政治分野』が中心に出題されますが、東大クラスでは『経済・国際分野』も出題範囲に含まれます。
    入学後に、グループ学習や発表等の機会が多く設けられています。その為、各日程ともに加点方式の(部分点がもらえる)『記述問題』が出題されています。難関大クラスも、以前はありませんでしたが、昨年度より記述問題を出す方向に変わりました。資料を読み取って記述したり、歴史的事項の流れや原因を記述したりするだけでなく、自分の考えを表現するものも含まれます。
    記号問題数は、東大クラス<難関大クラスという形で、論述問題の文字数は、東大クラス>難関大クラスという形です。

  • 出題概要

    • 地理
      先述したように、日本地理が中心に出題されます。例えば、日本の各地域の様子、農業や工業等の産業の様子、地形・気候等。例年、農産物の生産量の多い都道府県(生産高上位4県まで覚えておくと良いそうです)や、工業地帯・地域の出荷額割合が出題されます。なぜその地域で多く生産されているのかも確認しながらまとめると良いでしょう。
    • 歴史
      歴史的な事項の並べ替え問題が出題されます。時代ごとの出来事や人物を年表形式でまとめておくと良いでしょう。レベルの高い問題ですと、例えば記号問題で「聖徳太子が行ったことについて誤っているものを選べ」というような問題も出題されます。
    • 公民
      『政治分野』が中心となります。『日本国憲法の条文』の穴埋め問題から出題されるそうです。主な条文を何度もしっかり読んでおくと良いでしょう。それに加え、国会・内閣・裁判所等からも出題されるそうです。
    • 時事問題
      「○月△日に何が起こった」までは覚える必要ありませんが、日頃のニュースに耳を傾けておくと良いでしょう。
    • その他
      漢字指定で答える問題があるため、地名・人物名等の用語は漢字で書けるように練習する必要があります。問題によっては漢字指定がない場合もあります。その場合は、ひらがなで書いても正解にしてくれますが、漢字間違いは不正解になりますので、要注意です。あとは、過去問題で詳しい出題形式や内容を確認してみましょう。

●【理科】

  • 試験時間

    東大クラス:40分 難関大クラス(A・B日程):社会と合わせて60分

  • 出題方針

    全ての試験で、物理・化学・生物・地学の4分野からまんべんなく出題されます。配点の目安も全ての試験で共通しており、比率は物理:化学:生物:地学=7:7:7:4(地学は少なめ)となります。各分野に関する『観察』や『実験』を題材に、自然の事物や現象について『考察』していく問題が中心となります。また、グラフ・表を『読み取る』問題も出題されます。
    レベルに関してですが、難関大クラス(A・B日程)では、基礎的な学習の成果が発揮しやすい問題が、東大クラスでは、A・B日程と同様な問題内容としながら、解答にたどり着くまで少し手間を掛ける必要がある問題が出題されます。
    また、難関大クラスは論述問題がなく、ほぼ記号で答える問題が出題されます。一方、東大クラスは論述問題(1~2行程度)があり、計算する問題が多く出題されます。

  • 出題概要

    日程毎に紹介します。

    • A日程
      物理は『物体の運動』、化学は『ものの燃え方』『物質の温度による変化』、生物は『ヒトのからだのつくり』『動物のからだのつくりと生活』、地学は『地層と岩石』を中心に出題するそうです。
    • B日程
      物理は『電気』、化学は『水溶液と中和』、生物は『ヒトのからだのしくみ』、地学は『気象』を中心に出題するそうです。
    • 東大クラスⅠ日程
      物理は『物体の運動』『エネルギー』、化学は『燃焼』『物質の温度による変化』『金属の性質』、生物は『ヒトのからだのつくり』『動物のからだのしくみ』『昆虫』、地学は『大地の成り立ち』『地層と岩石』『風・雲と天候』を中心に出題するそうです。
    • 東大クラスⅡ・Ⅲ日程
      物理は『物体にはたらく力』、化学は『水溶液』、生物は『動物の行動』『器官のはたらき』、地学は『天体』を中心に出題するそうです。

以上となりますが、「□□が範囲だから□□しか勉強しない」というように上記に述べた範囲に限定して勉強するのではなく、過去問題もきちんと解き、出題傾向をつかむことも不可欠であると思います。

 

■学校を訪問してみての感想

単なる科めざ導でなく、考えながら学ぶスタイル。英語を学ぶだけでなく自分のものとして活用するスタイル。これらは他にはないのではないかと思うほど、非常に充実した学校だと思います。入試問題は、論述問題がいくつかありますが、この対応にはやはり考える力が不可欠です。日頃から「この問題はなぜこうなるの?」「(算数で)なぜこの式が立つの?」「他の選択肢はなぜ選べない?」「このグラフ・表からこういうことが読み取れるな」等、考えながら学習を進めると、実力を発揮しやすいのではないでしょうか。

東大に限らず、難関国私立大学や薬学部、医学部の合格実績が盛んですし、埼玉県の中央にあり駅から通いやすい場所にありますから(途中かなり青の時間が短い信号がありますが)、難関大以上をめざす方にはオススメです。

 

■名門会担当者より一言

先述の通り、学校側から入試の傾向や対策の仕方等を細かく教えていただいておりますので、栄東中を受験予定の皆様は、入試に向けて自分が何をすべきか、ぜひご参考下さい。合格をお祈りしております!

 

★By Ms.リケジョ♪

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