[間違いだらけの受験の常識] 扱い方を間違えると、過去問演習は、百害あって一利なし

カテゴリ : 中学受験

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去る10月25日(水)名門会東京本部にて、おもに東京と埼玉でご活躍されているプロ教師の先生方にお集まりいただき、講師研修会を実施しました。受験本番期目前ということもあり、受験情報の共有や指導方法等について、プロならではの活発な意見交換が行われました。

今回は、その中で特に印象的だった「中学入試の過去問演習のポイント」について、二人の先生のコメントをご紹介いたします。

■中学受験 国語・社会担当 高嶋 道治 先生 からのコメント

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まずは、国語・社会について、上位校への合格実績を例年出している高嶋道治先生に、過去問の「取り扱いのポイント」について語っていただきました。

◯ 何よりも子どもに過去問演習の目的と意味を正しく『認識』させることが肝心!

通常、学習塾に通っている小6生だと、過去問は「いついつまでに解いてきなさい」と塾の宿題として出されることが多いものです。

しかし、それが「過去問演習」として本当に効果的に機能しているかというと、多くの場合は当てはまりません。

宿題ですから、やらないと塾の先生に怒られる一方で、そのまま何の振り返り指導もされず放置されてしまうケースが多く、“ただ過去問を解いているだけ”のもったいない状況に置かれている生徒が少なくないのです。皆さまはいかがでしょうか。

過去問演習の目的を思い出してみましょう。大きくは以下の3つに分けられるはずです。

[1] 受験校の問題の『型』を把握する
[2] 受験校の問題を『分類』する
[3] 受験校の問題との相性を『合わせていく』

[1]に関しては、慶應中等部の国語の問題のように、明らかに出題形式に特徴がある場合(記号問題がほとんど)には、それに則した準備をしていくことが合格への近道となってきます。

[2]に関しては、試験問題を次の3つに分けて対応することが大切です。

・絶対に得点を取るべき問題

・できたら得点を取ってほしい問題

・捨ててよい問題(捨て問)

しかし、この分類は子ども自身ができるものではありませんので、先生がきちんと考え、伝えてあげることが大切です。

[3]に関しては、例えば記述が必要であれば記述の対策が急務となるわけで、受験校の問題形式に慣れる必要があります。

過去問演習では、まずは以上[1]~[3]の目的を子どもに『認識』させて取り組ませ、つぎに演習を通して志望校合格に必要なこと・現在足りないことを子どもに『認識』させることが大切です。

◯ 国語は『説明文の読解』がすべての土台!センスや感覚だけでは解けない!

なお、読解問題には、説明文(論説文)、物語文(随筆)がありますが、読解力の短期間での養成には『説明文の読解』を徹底していくことが近道です。

なぜなら説明文は物語と違い、文章に構造があり、答えが必ず文章中にあるからです。文章の構造を知り、文中から答えを見つけ出すトレーニングには最適です。

ですから物語文の心情読み取り問題にチャレンジする前段階として、「説明文」の演習をたくさん行うことをお勧めします。

 

■中学受験 算数・理科担当 久保 浩生 先生によるコメント

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続いて、毎年直前期に、中学受験生の算数と理科の偏差値を上げてこられている久保浩生先生に、過去問演習の「進め方のポイント」を語っていただきました。

◯ 基本を固めた後に過去問に着手!

受験生の皆さんが過去問演習に入ってからよく起きてしまう「残念なケース」の一つに、「合格平均点に届かないために受験をあきらめてしまう」というものがあります。

そもそも実際の入試日は2月上旬なので、11月や12月の時点で過去問の合格平均点より低くても全く問題はなく、その時点ではあきらめる必要はありません。実際、合格する受験生は12月~2月上旬(試験の前日まで)に最も学力がついてくることが多く、10月や11月で諦めてしまうには早すぎるのです。

ただし、過去問を本当に有効に使うためには、その学校の過去問を解くにふさわしいレベルまで基礎学力を高めておかなければなりません。基礎学力が達しないうちに無理に過去問演習をスタートさせても、時間の無駄になってしまうかもしれません。

実際に私が受け持った早稲田中志望の生徒の例ですが、学力的に過去問のレベルではなかったため、基礎学習を徹底し、12月下旬の冬期講習のタイミングから過去問に取り掛かりました。一見すると遅いペースですが、きちんと基礎を固めてから過去問演習に入ったことで、見事早稲田中に合格しました。

◯ 過去問の正しい解き方を知ろう

その他、過去問を取り扱う上での留意点としては、

・同じ年度のものを繰り返し解くのは避けたい

・あくまで本人の受験意欲をかき立てるもの

・実施後のフォローが大切

といったあたりでしょうか。

先程の例のように、過去問は正しく使えば直前からでも合格力アップに直結するものですから、生徒一人ひとりに合った方法を考えて、取り組んでいきましょう。


いかがだったでしょうか?

「たかが過去問」と軽視している人はいないでしょうが「されど過去問」は間違いありません。中学受験本番までもう三カ月弱。過去問に正しく取り組んで、残り少ない時間を無駄なく活用してください。

また、過去問対策について何かお悩みがある方は、ぜひ今すぐ名門会にご相談ください。冬期講習のご予約もまだ間に合います。名門会で共に「熱い冬!」を過ごして、難関志望校合格を勝ち取りましょう!

文責:A.K

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