塾対象の学校説明会から情報をピックアップ 第4回 森村学園中等部・高等部

カテゴリ : 中学受験, 学校情報

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例年行われている塾を対象とした学校説明会も、今年は感染症の影響でその多くが中止となってしまっています。このような困難な状況にも関わらず、オンラインで説明会を開催してくれている学校が何校もあります。その中から、受験生にとって役立ちそうな情報を、名門会教務本部の担当者が紹介できる範囲でお伝えしていきます。

今回は、未来志向型教育の実践を通して、社会に役立つ人間の育成に取り組む森村学園を取り上げます。

学校名 森村学園中等部・高等部
所在地 神奈川県横浜市緑区長津田町2695
東急田園都市線・つくし野駅 徒歩5分
JR横浜線・長津田駅 徒歩13分
ホームページ https://www.morimura.ac.jp/jsh/

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■学校概要

【沿革】

1910(明治43)年に、六代目森村市左衛門が南高輪の邸内の一角に作った幼稚園が始まり。同年に小学校も開校され、その後1941(昭和16)年に森村高等女学校が発足する。
1948(昭和23)年に校名変更で森村学園幼稚園・初等科・中等科・高等科となり、1978(昭和53)年に現在地への移転が開始される。
2010(平成22)年に創立100周年を迎えた歴史ある学校。
創立者の「正直・親切・勤勉」という人生哲学がそのまま校訓として受け継がれており、豊かな緑に囲まれた環境の中で、生徒たちの日常生活を通してよく実践されている。

教育の特徴

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【未来志向型教育】

昨年、新校長就任と同時に立ち上げた新たな教育システムであるが、従来から学園が進めてきたいくつかの取り組みを整理して、さらに進化させたものになっている。
内容的には、学園の持つICT環境を土台に、独自のメソッドである言語技術(ランゲージ・アーツ)の育成を図りながら、外国語(英語)教育・PBL(課題解決)型授業を推進するというもの。

【言語技術】

2012年に導入された学園の教育の中核をなす考え方である。現校長は長年PBL型授業などさまざまな工夫を学校現場で実践してきた方であるが、生徒・教員双方にとっての主体的で深い学びをもう一段上げたいという思いで具体策を模索していた時に、森村学園の「言語技術」と出会ったそうだ。あるインタビュー記事の中で「生徒と教員双方の論理的思考力を高めるこの取り組みを知って、「これだ!」と突破口を見出した思いでした」と語っている(首都圏模試センター「学校特集」、2019.11.16記事)。これまで培ってきたご自身の教育理念ともうまく合致したようで、いま新たな動きが実現へと移されている。

「言語技術とは、母語による“読む・書く・聞く・話す”の4技能に加え、表現力などの言語運用力を伸ばすもの」と紹介されている。グローバル人材を育てるためには、当然共通言語としての英語力育成は欠かすことができないが、同時に母語である日本語でのコミュニケーション力育成が必要との認識の下に、中等部の3年間を通してその学びが進められている。
具体的には、例えば発せられた問いに対して「結論・根拠・まとめ」という構成を意識して答える「問答ゲーム」や、読み聞かされた物語を構造的にとらえ、重要点をチェックし、忠実に文章化する「再話」や、その他にもさまざまな切り口での授業が用意されている。絵や写真などを見て、相手が正確にその内容をイメージできるように説明する「空間配列の説明」などは、そのまま大学・医学部入試の小論文などでも出題されているものである。

急速に世の中が変化する中、日本人が今後グローバルに活躍するにあたっての可能性や問題点がさまざまに言われているが、その課題点をわかりやすく説明したものの一つとして「ハイコンテクスト文化」と「ローコンテクスト文化」の比較というものを目にしたことがある。ご存じの方も多いかと思うが、簡単に紹介させていただくと、コンテクストとは各人(国)の持つ『文化、慣習、知識、価値観』などコミュニケーションの基盤となる部分を形作っているもので、ハイコンテクストとはそれが人々の間で共通認識となっている状況である。この場合はすべてを言葉にしなくてもお互いが理解・共感しあえる状態が作られやすく、主に日本のような民族的にも比較的閉ざされた環境の中で暮らしてきた人たちによって作り上げられた文化である。いちいち言葉にしなくても分かり合える、空気を読む、阿吽の呼吸と言われるような関係を作り出すなど、コミュニケーションの土台に共通認識がある状態ということのようだ。(忖度などという言葉もありましたが…。)
しかし、グローバルな視点で見れば、欧米社会を筆頭に世界はローコンテクスト社会で成り立っている。多様な文化・価値観・倫理観を持った人たちが同居する社会。具体的な言葉で伝えなければ双方の意思は伝わらない、コミュニケーションが成り立たない世界である。
日本国内においても世代間格差などとコミュニケーションギャップが取り上げられる機会が増えてきているが、残念ながら日本人はこのローコンテクストが大変に苦手である。

我々は学校などで英語を学ぶ中でその文構造の違いに戸惑いを感じ、同時にグローバルなコミュニケーション力の育成に励む。いま中等・高等教育の場で盛んに実践されて馴染みも出てきている論理的思考力や判断力・表現力を駆使して、なんとか文化の壁を乗り越えようと頑張るが、残念ながらその場でのクイックレスポンスは今なお難しい状況にある。長い歴史を通して染みついた日本人としての文化的・言語的特質はかなりしつこい。

そのような背景を考えたものかどうかはわからないが、共通言語としての英語を学びつつ、コミュニケーションの土台となる言語文化についてもその違いを体感させようという試みのようである。
とはいえ、ハイコンテクスト文化の持つよさをすべて否定しているわけではなく、「日本人特有の表現方法と、誰が聞いても何語に翻訳しても伝わる表現方法、この両方の表現文化を大事にしたい」というこの学習が、生徒たちの表現力に幅を与えてグローバルコミュニケーション力を高める結果につながることを大いに期待したい。

■入試情報

〈 2020年度 中学入試結果 〉

〇第1回(2/1、男女40名、2科・4科選択)
応募者数/122名(男子54名、女子68名)
受験者数/114名(男子50名、女子64名)
合格者数/55名(男子24名、女子31名)

〇第2回(2/2、男女30名、2科・4科選択)
応募者数/182名(男子78名、女子104名)
受験者数/122名(男子49名、女子73名)
合格者数/46名(男子20名、女子26名)

〇第3回(2/4、男女20名、4科)
応募者数/198名(男子101名、女子97名)
受験者数/100名(男子54名、女子46名)
合格者数/25名(男子15名、女子10名)

※合否判定は、2科目受験の場合は国語(100点)・算数(100点)の合計点、
4科目受験の場合は、国語(100点)・算数(100点)・社会(75点)・理科(75点)の合計点を200点満点に換算して、高い方を判定得点とする。
2科・4科別合格枠、男女別合格枠は設けない。科目別足切りもなし。

〇帰国生入試
(12/22、若干名、A型:国語・算数、B型:国語・算数・英語資格検定試験のスコア)
 応募者数/39名(A型:男子12名・女子7名、B型:男子12名・女子8名)
 受験者数/37名(A型:男子11名・女子7名、B型:男子12名・女子7名)
 合格者数/25名(A型:男子7名・女子4名、B型:男子9名・女子5名)

〈 2021年度 中学入試変更点 〉

第3回入試も2科・4科選択とする。
募集人員、日程等の変更はない。

■その他

学園のHPは丁寧な作りになっており、また多くの雑誌やWebサイトでも取り上げられることが多いので、受験生にもよく知られた学校かと思う。校風も、教員自らがHPなどで語るとおり、穏やかでのびのびとした雰囲気である。新校舎の中央部にはガレリアと呼ばれる地下1階から地上3階までの吹き抜けがあり、文字通り風通しのよい環境となっている。
大学合格実績にもこだわりを持ちしっかりとした進学指導を行っているが、目先の数字よりもむしろ6年間を通した生徒の成長により多くの資源を費やしているように感じられ、その教育姿勢はご家庭にも安心感を与えるものとなっているのではないだろうか。
社会に出てからも「独立自営」という建学の精神を見失わずに、グローバルに活躍する生徒が多く排出されることを期待する。

文責:A.M

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