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2023 第5回 成蹊中学・高等学校

成蹊中・高 正門

知的好奇心と物事の本質を見極める探究心を育成する「リベラルアーツ教育」を実践する成蹊中学・高等学校。充実した施設や自然豊かな環境の中での「探究学習」は、本物に触れる機会が数多く設けられています。
「学校は、仕掛けづくりを必要とされている」と語られた校長は、アントレプレナーシップ（起業家精神）を養う「五島スタートアップキャンプ」の引率や、「校長対話」と題した進学を控えた高校2年生全員との面談など、生徒と一緒に過ごす時間を大切にされています。“全員参加型の探究学習”の「全員」というのは、まさに教職員を含む成蹊学園総員のことを指しているように感じられました。

そんな成蹊中学・高等学校の2023年5月17日開催の学校説明会に参加してきましたので、その内容を一部ご紹介いたします。

■学校概要

〈 沿革 〉

1906年 中村春二　自宅に学習塾を開塾
1912年 成蹊実務学校創立
1914年 成蹊中学校開校。
1924年 池袋から吉祥寺に校地移転
1947年 新制成蹊中学校開校
1949年 成蹊大学創設
2007年 中学校1クラスの少人数化実施
2019年 学園ユネスコスクールに認定

〈 中高理数教育 〉

学校の中に、たくさんの標本などがずらりと並ぶ「理科館」という理科専用の校舎を設け講義室、実験室などの10室を擁しており、理科の授業・実験・観察をすべてここで実施している。
生物室にはたくさんの生き物が飼育されている水槽を設置し、解剖実験時には1クラス10個体の豚を用意するなど、全員が手を動かせるように配慮しているという。
理科館の廊下には、鮫の解剖の際に生徒が手描きした詳細なスケッチ画が並んでいた。「ICT活用が進み、スケッチをする機会が少なくなってしまっている。機器に頼らず実際に手を動かす機会を減らすことのないようにしたい」と校内を案内してくれた理科担当教諭が語っていた。
生徒の興味を引き出す同校の理数教育。最近では興味をもつ女子生徒が増えてきているとのことだ。

〈 進路指導 〉

成蹊大学への内部進学制度は設けているが、進学に関しては生徒に主体的に考えさせ、選択させるという方針である。これにあたり、校長自らが高校2年生320名と面談を実施し、生徒の進路選択のサポートを行っている。
学校側が多様な進路選択を提示する中、近年では医学・医療系進学者数も数を伸ばしているとのこと。2023年度入試では（歯学部、薬学部、獣医学部、看護・保険を含む）30名が進学。うち、医学部に現役生8名、浪人生7名が進学と、学内の割合としてはどのクラスにも医療関係へ進学した生徒がいるという状況まで伸びたとのこと。

■2023年度入試結果

男女の定員を一定にした影響が出たのか、男子の出願者数が160人減った。

〈 合格最低点 〉

男子：第1回300点中199点
第2回300点中211点

女子：第1回300点中217点
第2回300点中209点

2023年度入試は、男子の第2回と、女子の第1回の合格最低点が過去最高得点となった。
男子・女子いずれも最低点が上昇している傾向にある。
近年の合格ラインであった6割にあたる180点得点だと、2023年度の合格は厳しい模様だった。
入学を希望する受験生は、過去問対策で7割程度の210点得点をめざして欲しいところだ。

■所感

成蹊中・高　illustrations by A.O

正門に続くけやき並木の先に校舎を構える成蹊中・高。
訪問した説明会の日も、生徒たちは豊かな自然に囲まれた校内で本物に触れる学びの真っ最中。すれ違う私たち塾関係者に興味津々のようすで、人懐っこく「こんにちは！」と元気な挨拶をしてくれた。それは、伸び伸びとした環境で楽しく学んでいる姿そのものであった。

2024年度は学園の吉祥寺移転100周年とのこと。来年以降の動きにも注目していきたい。
今後のイベントの予定も盛りだくさんで、オンラインで気軽に参加できるイベントが用意されているのも嬉しいところだろう。
秋以降は文化祭なども予定されている。興味のある方は事前予約をお忘れなく。

成蹊　今後開催のイベント予定
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7月8日（土）：授業体験・クラブ体験（小6年生対象）
10月7日（土）：学校説明会・校内見学（全学年対象）
クラブ体験（小学5・6年生対象）
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9月16日（土）：生徒広報委員会によるオンラインイベント
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