グループ討論はディベートではない〔北里大学医学部 指定校推薦入試より〕
カテゴリ : 医学部受験
11月16日に発表のあった、北里大学医学部の指定校推薦入試では、名門会から3名が受験し、3名とも合格となりました。
うち2名が私の受け持つ神奈川支社の生徒さんでしたので、詳しい話を聞きましたが、試験の形式は、例年とほぼ変わらなかったようです。
北里の指定校推薦対策というと、まずは「グループ討論」の練習となります。本番での形式は、以下の通りです。
- 受験生3名程度が1グループとなり、テーブルの前に横一列に並び、面接官も3名相対して横に並んでいる。
- 討論のテーマが書かれた用紙がテーブルの上に置かれ、合図とともにそれを見て3分間考える時間が与えられる。
- その後、各自が自分の意見を述べたのち討論に入る。述べた意見に対して面接官から質問されることもある。
医学部入試でのこうしたグループ討論は、ほかにも、東京女子医大の公募推薦、日本医大や東邦大での一般入試でも行われ、かつては聖マリアンナ医大の一般入試でも実施されていました。大学によっては、受験生の1人を進行役にする場合もあるなど、形式はさまざまですが、相対する2組分かれて相手をいかに論破するかを競う「ディベート」とは、根本的に異なります。目立てばいいというものではなく、議論の流れとは無関係に自分の意見をまくしたてるような受験生の評価は低くなります。
大切なことは、
- 周りの意見に耳を傾けて尊重する姿勢を示しつつ、同意できる点、意見の異なる点を明確に、根拠を示しながら述べること。
- 参加者の中で意見の対立が見られる場合には、タイミングを見て共通点や解決策を見出し、議論をまとめる方向に向けた意見を述べる
ということになります。
つまりは、チーム医療において医師に求められる、リーダーとしての資質が問われているのです。発言の数は少なくても、「B」のような効果的な一言があれば、それで高評価となりますから、普段のクラスでの討論や部活のミーティングなどでも、そんな一言を心がけてみて下さい。
名門会の授業は、すべて1対1の個別指導ですが、グループ討論を実施する大学の受験生を集めての直前対策練習なども行っています。ご相談はお早めに、各教室までお願い致します。
文責:H.S.