実際に話を聞いて肌で感じた学校情報 第22回 日本大学高等学校・中学校
名門会教務本部の担当者が、実際に学校を訪問してみて、肌で感じた生の情報をご紹介!
第22回目の今回は、日本大学高等学校・中学校をご紹介します。
志望校、併願校を選ぶ際の一つの参考になれば幸いです。
学校名 | 日本大学高等学校・中学校 |
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所在地 | 神奈川県横浜市港北区箕輪町2-9-1 東急東横線・目黒線・市営地下鉄グリーンライン「日吉駅」 徒歩12分 日吉駅からスクールバス運行 |
ホームページ | http://www.nihon-u.ac.jp/orgni/yokohama/ |
■学校概要
- 1930(明治25)年、日本大学第四中学校・商業学校として横浜市神奈川区大口に開校。
- 1947(昭和22)年、港北区箕輪町に移転。
- 1999(平成11)年、中学校が男女共学となる。
- 2002(平成13)年、高等学校普通科が男女共学となる。
- 2011(平成23)年、高等学校に特別進学クラスを設置。
- 2016(平成28)年、中学校にグローバルリーダーズコース(GL)・Nスタンダードコース(NS)を設置。
- 2017(平成29)年、高等学校にスーパーグローバルクラス(SG)を設置。
※日大直系の正付属校。
一般的に日大日吉と呼ばれることもあるが、あくまでも俗称で正式名称ではない。
■入試情報
◯2017年度中学入試
A-1日程:2/1AM、4科 or 3科(国算英)、男女85名
A-2日程:2/1PM、2科、男女45名
B日程:2/2PM、2科、男女45名
C日程:2/5AM、4科、男女25名
[入試結果データ(2016→2017)]
<A-1日程>
志願者数535→460(86%)、受験者数411→384、合格者数136→113
<A-2日程>
志願者数804→624(78%)、受験者数720→554、合格者数142→188
<B日程>
志願者数817→655(80%)、受験者数561→429、合格者数122→118
<C日程>
志願者数784→659(84%)、受験者数445→343、合格者数30→47
各回、志願者・受験者ともに大幅な減少となった。
今年着任した校長の説明会冒頭のあいさつの中にも、改革を進める近隣他校との比較において危機感を感じさせる話もあった。
志願者の男女比は約2:1。
合格者人数は、GLとNSはほぼ均等の結果となっている。男女比は特に設けず。
◯2018年度入試
A-1日程(2/1AM)を4科のみとして科目選択を変更する(国or英の選択 + 3科(算社理))。
2/5AMに適性検査型入試を導入する。
2/5AMは従来と同じC日程入試と適性検査型入試を実施。募集人員はあわせて30名。
A-1日程の募集人員が80名(5名減)となる。
2/1AMの帰国生入試Ⅱ(Ⅰは12/17)を英算社理の4科とする。募集人員は若干名。
出願時に「第1志望GLコース・第2志望NSコース」か「第1志望NSコース」かの受験区分を記入する。「第1志望GLコース・第2志望NSコース」からNSコースへのスライド合格あり。
■進学実績
<合格者数>
卒業生総数475名
日本大学合格者331名、進学者265名(55.8%)
国公立大17名、早慶上理39名、GMARCH 108名など
■教育の特徴
日大の正付属校であるが、数年前より国公立大学を含めた他大学進学にも力を入れ始めた。
教育熱の高いエリアでもあり、また近隣には共学化した学校や改革に力を入れる学校がいくつもある(中央大学附属横浜、法政大学第二、三田国際、八雲学園など)。そんな中にあって日大付属というだけでは受験生の需要を満たせないという判断もあるように思われるが、2011年に高校でスタートした他大学進学を目的とした特別進学クラスに加えて、今年4月からはグローバル人材の育成をめざすスーパーグローバルクラスがスタートした。
生徒にとってより良い学校にするための柔軟で積極的な姿勢を感じる。
中学2コース制(GL・NS)、高校3コース制(スーパーグローバル・特別進学・総合進学クラス)。
GLはフルコース型で大学入試に向けた科目の履修や海外研修など全カリキュラム必修のコース、NSはアラカルト型で各自のニーズに応じた選択カリキュラムとなる。GLコースの生徒は高校からは原則スーパーグローバルクラス(SG)に進む予定。
ICT教育には力を入れ、全生徒にiPadを貸与してアクティブラーニング・グループワーク・プレゼンテーションなど通常授業を通して幅広く活用している。電子黒板は全教室に設置。
英語力の向上にも精力的に取り組み、ALT(アシスタント・ラングウイッジ・ティーチャ―=外国語指導助手)による少人数制会話授業やイングリッシュラウンジの設置、海外研修や中期・長期の留学制度なども用意され、グローバル社会への対応力も育てている。
海外留学に行った生徒の中には、日本に戻らずにそのまま現地の大学へという生徒もちらほらといるらしい。
帰国生の受け入れはまだ始まったばかりで、制度として定着してくるにはもう少し時間がかかりそう。中1は一般生と同じクラスに入り、取り出し授業などは今後様子を見ながらということである。
■学校を訪問してみての感想
設備は充実している。
本館中央は吹き抜けのアトリウムになっており、開放的な空気が流れる。
人工芝のグラウンドが2面、テニスコート、温水プール、柔道場・剣道場、さくらホールに総合体育館など、生徒が汗を流すには十分な施設がそろっている。もちろん図書館、自習室、コンピュータールーム、家庭科実習室など、勉強面で必要な施設も完備されている。
そんな中で、なによりも生徒がみな明るく楽しそう。
生徒たちは6年間で何を経験してどのように成長して行くのか?
いろいろな可能性を感じさせる学校である。
■名門会担当者より一言
「普通にやっていれば日大には行けます。」
担当の教員がぼそっと呟いていた。
そこが良いところであり、同時に完全付属校の脱皮すべき殻でもある。
6年間の中高生活を通して日大以外の選択肢を選んだ生徒に対して、その希望をどこまで担保できるか?
進学色をどれだけ打ち出すか、高大連携の優位性をいかに取り入れるか、グローバル化への対応は何を終着点として進めるのか。
解決すべき課題は多くあると思われるが、いままさにそこに挑戦している学校である。
大いに期待したい。
(文責:A.M)