「東京女学館中学校・高等学校」
中学・高等学校の先生に聞く！　中学受験帰国生入試レポート

2024年07月22日(月曜日)

地方都市から海外まで、どこからでも名門会の指導を受けることができる“本物”の双方向オンライン授業！　名門会Onlineは、海外在住の生徒様のうれしい志望校合格の報告を多数いただいております。
世界各国にいらっしゃる生徒様の夢の第一志望校合格に向けて燃え上がる名門会Online取材チームが難関校・名門校にお邪魔し、帰国生入試の気になる情報を直接リサーチしてお届けします！

東京都渋谷区にあり、今年、創立136年を迎える完全中高一貫の女子校「東京女学館中学校・高等学校」で、広報室長の坂田先生と英語科主任の佐藤先生にお話をお伺いしてまいりました！

＜写真：校舎外観＞

―「国際学級が２クラスに拡充」
同校では、2つの学級を設けています。１つは、進学対策などのカリキュラムに取り組む「一般学級」。もう１つは、国内大学の他、海外大学進学も視野に入れた「国際学級」です。
「国際学級」は、語学力向上に留まることなく、文系、理系どちらも選択可能な充実した内容になっています。
現在は、１学年６クラスのうち、５クラスが「一般学級」で１クラスが「国際学級」ですが、2026年度より「一般学級」が４クラスとなり、「国際学級」が２クラスに拡充されます。
また、ケンブリッジ国際認定校としての登録を申請中とのことです。過去20年間、同校の教員が構築した国際学級の独自のカリキュラムや進学対策を守りながらも、さらに海外大学進学の道が広がることは間違いないでしょう。

―「教科横断型STEAM教育」
同校は、「自ら問題を発見し解決する能力を養う」ために、教科横断型のSTEAM教育を行っています。高校1年生、高校２年生で探究学習（課題探究）に取り組みます。中学３年間の学びをもとに、高校１年生で知見を広げて課題を見つけ、高校２年生では解決に向けたプロセスや方法を探究し論文を完成させます。
また、英語や数学は少人数での習熟度別分割授業を行っています。

＜写真：広報室長の坂田先生と英語科主任の佐藤先生＞

―「物語を通した英語教育」
同校が創り上げてきた数々の英語のカリキュラムの中から、一部をご紹介します。
「世界のシンデレラ」は、中学2年生で行われているユニットで、授業では世界中に存在するシンデレラストーリーを英語で読み比べていきます。例えばインドのシンデレラでは、ガラスの靴ではなく別の持ち物を落とします。そういった相違点を英語でディスカッションしながらエッセイにまとめたり、ストーリーをイラストと英語で紹介するMy Storyboardを作成します。Storyboardでは、6つの限られたコマの中でどう物語の要点を伝えるかということを意識しながら自分なりの文章やイラストでストーリーをまとめます。
中学3年生で取り組む「ロミオとジュリエット」の英語劇は、全体を４場面に分けて同じ役を何人かで演じ分けることで全員が出演者として参加します。
英語劇を演じる前に「ジュリエットはどうしてこういう行動をとったか？」「もしロミオが別の行動をしていたらどう変わるか」などを英語でディスカッションしながら原作を読みます。それを「エッセイ」に落とし込んだ後に英語劇を演じることになります。
生徒たちと同世代の主人公が登場する物語をあらゆる角度から読み解くことで、クリティカルシンキングを養っていきます。

＜写真：My Story Boardと国際学級の授業で使用している物語文＞

＜写真：伝統ある制服が描かれた壁画＞

―「人と人との相互交流」
同校の「国際学級」では、語学力の習得に留まらず、“人と人との相互交流”というテーマの下、学校外のさまざまな人の意見を聞く機会を設けています。

国際学級全学年を対象に行われる「大使館訪問」は、各国の大使館が学校の周りにたくさんあるという地の利を生かし、毎年異なる国の大使館を訪問します。
「さまざまな国の文化への理解」がテーマなので、北米に限られることなく、多くの国の文化に触れ、理解を深めます。

「国際学級」の高校2年生全員参加の「校内模擬国連」では、提携校であり模擬国連の強豪校でもある「Dana Hall School」のサポートを受けながら、高校1年生から準備をはじめます。
「模擬国連」のテーマは、社会科の教師がレクチャーをしながら決めることもあれば、理科の教員がかかわることもあり、教科の垣根を越えて取り組んでいます。
「校内模擬国連」の本番では、「Dana Hall School」の卒業生が議長を務めるとのことです。

中学1年生を対象とした「国際マザーズデーランチ」という行事が毎年３月に行われています。これは、3月8日の「国際女性デー」に、中学1年生のお母さんを数名招いてお話を聞くという趣向のランチ会です。社会の第一線で活躍しているお母さんが１グループに１人つきます。一緒にお弁当を食べながら、仕事のことや将来に向けて、今何をしておくのが大事かなどの貴重なお話を聴く機会となっています。

＜写真：広々としたカフェテリア＞