名門会 2017年度夏 プロ教師研修会 レポート

カテゴリ : 名門会からのお知らせ, 開催レポート

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最難関中学合格を確実にする教師研修会を実施-志望校合格に直結する学習ポイントを伝授

名門会には長年培った高い指導スキルと多くの合格実績を持つ「中学受験プロ教師」が数多く在籍しています。その「中学受験プロ教師」の方々にさらに研鑽を積んでいただき、お互いの豊富な指導例を共有するために、定期的に研修会を実施しています。

今回は夏期講習会直前の7月12日(水)に、来春の最難関中合格を確実にさせるため、最難関中志望の生徒を担当する教師を中心に実施しました。

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今回の内容は、天王山の夏を迎える受験生の取り組むべき最重要分野の確認や、過去問への取り組み方など、「いま、生徒に伝えるべきこと」そのものですので、受験生の皆さんに限らず、保護者の方々にも、多いに参考になること間違いありません!

以下、金田雅昭先生から理系科目についてのポイントを、庄司あかね先生から文系科目についてのポイントを、一部アレンジして公開します。

■金田雅昭 先生より 理系科目についてこれからのポイント

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□ポイント1
~算数は、「立体図形」と「場合の数」で差がつく

立体図形は図形全般と置き換えてもよいでしょう。入試当日までに、完璧に仕上げることができます。しかし、場合の数だけは、どんなに仕上げても入試当日正解できる保証はない感覚です。どちらかひとつ選ぶのであれば立体図形です。サピの教材を研究していますが、どの学校の入試も図形分野が半分近く占めているのに、サピの取り扱いは3割とかなり低いのがずっと気になっています。数量には強くなるだろうが、それではライバルと戦えません。サピ上位生に対して、我々が図形全般を強化すればライバルに逆転することができるはずです。

□ポイント2
~理科は、「力学」と「水溶液」を仕上げる

理科は、まず苦手な分野をつくらない・なくすことが重要です。その上で、力学と水溶液を挙げます。力学は、ちょっとコツを教えればすぐに伸びてきますから、どんどん難しい問題をやるとよいでしょう。水溶液は、化学全般と考えてもいいです。トップクラスの生徒は、化学ではほとんどミスをしません。実力をはかるのには、筑駒の過去問がお勧めです

□ポイント3
~過去問の取り扱い、力をつけてくれる学校はどこか

過去問について、大体の難関校は赤本にある分の年数を遡ればよいのですが、まずは算数から。

  • 筑駒は、規則性や場合の数に関して独特なものがあり、他に例がないので平成まで遡っても良いでしょう。
  • 灘1日目は、新傾向で時間的にも厳しく難度も高いので昭和まで遡っても良いでしょう。
  • 開成は、形式・難易度がコロコロ変わるので、読みづらいのですが、難易度の高い問題にも対応できる準備をしつつ、10年~15年で良いです。
  • 栄光は、速さの難問・良質な出題が多く、10年くらいやるべきです。
  • 桜蔭は、本質的な力をみる出題ではない印象ですが、慣れておくためにも10年は遡ると良いです。
  • 女子学院は、長く遡る必要はとくにありません。
  • 豊島岡は、レベルの高さ、意図がハッキリしており、立体図形も傾向がはっきりしているので、過去問演習が役に立ちます。

次に理科ですが。最上位校は、クセのある出題をします。

  • 麻布の理科は過去に似た出題例がなく、記述が非常に多いので、30年遡っても構いません。ただ、古い年度の時事問題ネタものとかは省いてください。

志望校でなくても、力をつけるには関西の学校はお勧めです。灘の1日目の算数は最難関校を目指すなら夏にやらせてほしい。問題はシンプルでポイント絞りやすく、やれば必ず実力がつきます。

□ポイント4
~力がつく算数お勧め教材

毎月は大変でも「中学への算数」です。同じく東京出版から「プラスワン問題集」「ステップアップ問題集」「日々のチャレンジ演習」があります。個人的には「スピードアップ算数」「塾で教える算数」もお勧めします。

■庄司あかね 先生より 文系科目についてこれからのポイント

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□ポイント1
~国語記述力をつける印のつけ方・答案の解きなおし

模試の結果から点数の取り方の分析が大切です。時間切れで問題を最後まで解ききれずに終わっていないか、記述解答が白紙でないかがポイント。模試の解きなおしもどのようにしているかが大切です。ただ答えを写しただけで○にして完了しては実力つきません。まだ言語要素が不安定ならば、出る順を1Wで終わらせてしまうのも手です。記述では、語彙力の有無は大きな差になります。自分なりの意見・考え方をもち、自分の言葉で表現できるようになるには、語彙力は欠かせない要素です。

最近の特徴として、本文を読んでも印をつけない、うまく印をつけられない生徒が多いのが気になります。これは選択肢の問題でも記述の問題でもとても有効な手段なので、その習慣がついてないなら、この夏にしっかり訓練してほしいです。印をつける訓練をしていけば必ず他の教科の学力アップにつながっていきます。

記述で多くみられる傾向は、まず主語が多くて文章がねじれてしまっている答案です。読み直しで修正していきましょう。要旨がうまくまとまってない答案なら、どんな風に考えたのかを聞き出し、ブレインストーミングさせながらより点数のとれる答案に変化するプロセスを体感させてください。そこから必ずコツをつかんでいきます。

□ポイント2
~社会は近代史の攻略

社会・歴史は、近代史が頻出分野となってきています。地理が弱い生徒は、歴史からうまく関連つけて記憶させるのが有効です。

  • 開成の社会は、関西からの受験を意識してか、東京ご当地問題がこれでもかと出題されます。
  • 海城・芝・巣鴨はレベルが最難度で、過去問での訓練不可欠です。
  • 桜蔭・慶応中等部は満点勝負です。

最近の特徴として、問題文の量が資料など含め膨大な量になっているので、ハイスピードで正確に答えていく訓練が必要です。

□ポイント3
~時間を得点に変えるには

読むスピードが遅く、説明文だけで時間を使い切り、物語文まで手がまわらず、時間切れとなってしまう、こんなお悩みはよく聞きます。読むスピードの遅い生徒に早読みを強要するのではなく、文章を読んでいる途中から得点できるように、時間を得点にかえていけるようにしていくのが良いですね。先ほども言いましたが、印付けもテクニックです。解けそうな問題だけまず選ぶとか、記述はまず部分点をとれるだけでよいので、要点だけを抜き出す練習を積ませるのがいいですね。

□ポイント4
~国語の勉強時間の確保のために

これからの夏休み、算数・理科に費やす時間と国語・社会に費やす時間のバランスをどうしたらよいかと不安になる保護者の声が増えるようです。社会はまだ秋以降でも間に合いますが、国語力は大きく合否にかかわりますから、理系科目の先生と連携をとって宿題の取捨選択をしてもらい、できうる限り国語にまわす時間を確保してもらえるようにしてください。一日の生活リズムを見直して本当にやる時間がないのか、すきま時間を見つけてでも国語の時間をつくってほしいです。


いかがでしたでしょうか。入試まで、残り半年です。あっという間の夏休みですが、目的意識をしっかり持って臨めば、沢山の課題を乗り越えて行ける時間のとれる夏休みです。参考になりましたら幸いです。

文責:S.U

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