実際に話を聞いて肌で感じた学校情報 第11回 三田国際学園中学校・高等学校
名門会教務本部の担当者が、実際に学校を訪問してみて、肌で感じた生の情報をご紹介!
第11回目の今回は、三田国際学園中学校・高等学校をご紹介します。志望校、併願校を選ぶ際の一つの参考になれば幸いです。
学校名 | 三田国際学園中学校・高等学校 |
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所在地 | 東京都世田谷区用賀2-16-1 |
ホームページ | http://www.mita-is.ed.jp/ |
■学校概要
- 1902(明治35)年、芝公園の一角に戸板裁縫学校が設立される。
戦後、1947(昭和22)年に戸板中学校、1948(昭和23)年に戸板女子高等学校が発足し、1993(平成5)年に現在地(用賀)に移転した。
- 2013(平成25)年に元広尾学園校長の大橋清貴氏を学園長に迎え入れ、本格的な学校改革に取り組み始める。
- 2015(平成27)年に「三田国際学園」と改称して共学化をスタートさせた。
- この年は、他に開智日本橋・東洋大学京北などの学校が共学化スタートした年で中学受験に大きな動きのあった年だが、その中でも当校は最も注目度が高く、総数2,000名を超える応募者を集めた。
- 「21世紀型教育」を推進する学校として注目を集め、改革を推進する他の学校にも大きな影響を与えている。
- 東急田園都市線・用賀駅から徒歩5分。
■入試情報
中学入試は本科クラスとインターナショナルクラスの二本立て。
本科クラス(Regular Class)は相互通行型授業を軸にした授業で、主要5教科をバランスよく学びながら確かな基礎学力を身につけ、学ぶ楽しさ・知る面白さを追求する。
インターナショナルクラスは帰国生と国内生が同じクラスで学び、異文化を理解する感性や多様性を受け入れる大らかさを身につけさせる。また、個々の英語力に応じたフレキシブルな授業編成を行っている(Standard、Intermediate、Advanced)。
◯2016年度中学入試
募集定員 | 本科クラス90名、インターナショナルクラス70名。合計160名。 |
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入試科目 | 本科クラス ― 2科・4科。 インターナショナルクラス ― 2科・4科 or 英語+面接(英) ※英語+面接は第2回(2/1午後)と第4回(2/3午後)のみ |
入試日程 | 2/1午前・午後、2/2午後、2/3午後、2/4午後の全5回。 各回に本科クラス・インターナショナルクラスの募集あり。 |
入試結果 | 出願者総数3088名、受験者総数1617名、合格者数595名。 入学者は本科クラス147名・インターナショナルクラス147名の合計294名。 各4クラス編成。 男女比は、151:143。 |
◯2017年度入試
日程には変更なし。
試験問題(設問数・出題形式など)に若干変更あり。
■進学実績
今年入学した生徒が共学化2期生で、最初の卒業生は再来年の春。
■教育の特徴
戸板女子創設時から受け継がれる「知好楽」の理念を新たに見つめ直して、これからの時代を生きる生徒のために「英語教育」「コミュニケーションスキル」「サイエンスリテラシー」「ICTリテラシー」、そして「考える力」をテーマに掲げる。
21世紀型教育を積極的に推進するが、今までの教育(20世紀型教育)を否定しているわけではない。これからの時代に向けて従来の教育だけでは十分ではないという考えから、あらたな世界標準の教育の実践を進めている。
高校からは「本科コース」「スーパーイングリッシュコース」「スーパーサイエンスコース」に分かれる(平成30年度に「インターナショナルコース」を設置予定)。
■学校を訪問してみての感想
学校長を中心に教員が一丸となって学校改革に臨んでいる。
広尾学園の成功がベースとなっていることは間違いないが、当然同じものを作るつもりはなく、更なる高みをめざして学校作りに励んでいる様子が伝わってくる。
生徒1人ひとりの意見・考えを大切にする学校の方向性は学園全体の活気に繋がっており、多様な価値観を認める校風が将来的なキャリアに繋がって行く。
■名門会担当者より一言
実際の生徒の様子を見ると、理念と現実の差異を感じなくもない。
一朝一夕に環境が整えられるわけはなく、周到な準備をして共学化はスタートしているはずであるが、それでも生徒が学校の理念を体現できるようになるまでには今しばらく試行錯誤の日々は続くと思われる。明確な教育理念と具体的な方法論に支えられて一歩ずつでも前進して行くことを期待したい。
まだ結果・実績は何もないので、受験生(家庭)はこの学校の将来性にかけることになる。
実際に学校に足を運んで、先生方の話を聞いて、生徒の学校生活の様子を見て、自分の考えで是非を判断するようにして欲しい。
(文責)A.M.