実際に話を聞いて肌で感じた学校情報 第24回 東京女学館中学校・高等学校

カテゴリ : 中学受験, 学校情報

名門会教務本部の担当者が、実際に学校を訪問してみて、肌で感じた生の情報をご紹介!
第24回目の今回は、東京女学館中学校・高等学校をご紹介します。志望校、併願校を選ぶ際の一つの参考になれば幸いです。

学校名 東京女学館中学校・高等学校
所在地 東京都渋谷区広尾3-7-16
東京メトロ日比谷線「広尾駅」4番出口 徒歩12分
JR他「渋谷駅」 バス約10分
(都営バス日赤医療センター前行「東京女学館前」下車)
JR他「恵比寿駅」 バス約10分
(都営バス日赤医療センター前行「東京女学館前」下車)
ホームページ http://www.tjk.jp/mh/

学校概要

1学年6クラス(1クラス約40名)、うち1クラスが国際学級。
東京女学館小学校からは、今春は一般学級65名、国際学級8名が入学。
5つの理科実験室やコンピューター室、大小あわせて3つの体育館、ガラス屋根のついた温水プール、300人以上収容できる食堂、他にも61,000冊の蔵書をそろえた図書館や作法室・書道室・被服室・音楽室・調理室やビオトープなど、施設は充実している。
4・5階のホールは、生徒の憩いと集まりの場となっている。
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【沿革】

伊藤博文・澁澤栄一らを中心に創立された「女子教育奨励会」を母体に1888(明治21)年に設立された。国際性を備えた女子の育成を掲げて130年目を迎えた伝統校。
「高い品性を備え、人と社会に貢献する女性の育成」を教育目標としている。
1930(昭和5)年に制服が定められ、以降白いセーラー服と青いリボン、紺のスカートという現在のスタイルが引き継がれている。
1998(平成10)年、渋谷校舎全館落成。
2004(平成16)年、国際的に活躍できるリーダーシップを持った女性の育成を明確に打ち出して、中学校・高等学校に国際学級を開設した。
2012(平成24)年、高校募集を停止して完全中高一貫校となる。

■入試情報

◯2018年度中学入試

《一般学級》

国算 各50分・100点、社理 各30分・50点
【第1回】 2/1午前(4科、募集人員30名)
出願者数111名、受験者数101名、合格者数38名、入学者数23名
【第2回】 2/1午後(2科、募集人員40名)
出願者数507名、受験者数481名、合格者数270名、入学者数32名
【第3回】 2/2午後(2科、募集人員30名)
出願者数601名、受験者数343名、合格者数158名、入学者数66名
【第4回】 2/3午前(4科、募集人員30名)
出願者数350名、受験者数144名、合格者数41名、入学者数26名。

〈出題のねらい〉

国語: 大問3題(文学的文章、説明的文章、漢字)
1題につき設問数10~12
選択4~8問、書き抜き2~7問、記述1~5問(字数10~80字)
考える力・分析する力・まとめる力を見たい
算数: 大問1・計算4題、大問2・小問集合、大問3~7・応用問題
小問集合は○○算を幅広く出題(ニュートン算は頻出)、図形も出題
応用問題はグラフの利用、点の移動、平面・空間図形などを幅広く出題
社会: 大問2題、小問30題
記述2~5点(部分点あり)、その他1~2点。漢字指定問題あり
地理・歴史・公民の基礎・基本の理解を問う
小学校の教科書は、本文だけではなく図・写真・グラフ・表やその解説にも目を通しておく必要あり
理科: 大問3題
実験・観察の結果をもとに考えさせる問題が多く出題される。思考力を問う問題も多い
過去10年の頻出分野は「物質と変化(化学)」「運動とエネルギー(物理)」「生物と環境(生物)」「地球と宇宙(地学)」など。2018年度は2回とも生物・地学が出題された

《国際学級》

【帰国生】 12/9(日)午前(募集人員18名)
①算数・英語各30分・50点 + 面接(本人のみ、約5分)
②算数・国語各30分・50点 + 面接(本人のみ、約5分)
※①②のいずれかを選択。
出願者数36名、受験者数36名、合格者数29名、入学者数12名。

【一般生】 2/2午後(募集人員20名)
国語・算数各50分・100点(一般学級と同じ問題)
出願者数84名、受験者数71名、合格者数36名、入学者数23名。

◯2019年度入試

入試要項に変更なし。
出願はすべてWeb出願。

■進学実績

〈合格者数〉

東大・一橋大など国公立大14名。
早稲田大38名、慶應義塾大23名、上智大30名など。
難関私大が合格者を絞り込む中、早慶上智大の合格者は昨年(69名)を大きく上回った。

今年3月の卒業生のうち2クラス・76名が理系を目指す生徒で、国公立大では現役で東大・理Ⅱや北大・筑波大・秋田大などの理系学部に合格者を出している。
また医学部医学科も慶應義塾大・日本医科大・東邦大や他の大学に現役合格し、既卒生を含めると計17名の合格者を出している。
数学では訂正ノートを使った丁寧な指導、理科では興味や理解・考察力を育てるための実験・観察を重視した授業を行っており、それが成果につながっていると思われる。

なお、国際学級は帰国生と一般生が同居した語学教育に特化したクラスだが、英語・美術以外は一般学級とほぼ共通したカリキュラムになっており、進学先も海外大学以外に国公立大・早慶上智大など国内難関大学に毎年数多くの合格者を出している。英検の資格取得状況などを見ると、入試改革にともなう今後の大学受験にはさらに有利に働くのではないだろうか。

■教育の特徴

1日は朝礼時の瞑想ではじまる。ミッションスクールの朝の礼拝に通じるものだろうか。
授業は1コマ50分、終礼は15時25分から。放課後は当番制で掃除を行い、その後は各自部活・委員会活動などに向かう。最終下校時間は17時40分。
創立以来、英語教育には特に力を入れており、少人数教育とネイティブ教員による実践的な演習授業で、中1段階から英語の4技能をしっかりと身につけさせる。並行して、5種類の海外研修や派遣留学制度を通してグローバル教育を展開し、また各国からの訪問団も積極的に受け入れている。
他方、自国文化の理解・継承といった面も大切にしており、中1からの茶道・華道体験、高校での歌舞伎・能楽鑑賞など日本の伝統文化に直に接する機会を作り、そのような経験を通して外に向かって語るべき幅広い視野と多様な知識、日本女性としての品性を身につける。
校内には植物生息空間としてのビオトープがある。委員会が中心となって生徒自身が管理・運営を行い、環境保護を実体験する中で、自然との共生の必要性や環境の大切さについても学んでいる。
ICTの活用など社会の変化にも柔軟に対応し、国際化が進み価値観が多様化するこれからの時代を生きるために、特に「主体性」と「協働性」を身につけた女性を育てようしているように見える。

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■学校を訪問してみての感想

ここ近年は特に生徒の自主性を重んじる姿勢が顕著になってきているように感じる。
とはいえ、伝統を受け継ぐためには学校として譲れないところもあるわけで、たとえば服装であるとかさまざまな行事の枠組みであるとか、「ここを崩すとうちの学校ではなくなってしまう」という境目を明確に持っている気がする。その点が、外から見ると多少不自由さや固さを感じるところなのだろう。特に新入学の生徒(中1生)への対応は、彼女たちが東京女学館の基本的な習慣を身につけるまで、きめ細かく行われる。
そのような、教員や生徒同士の交わりのなかで女学館らしさを自分のものにした生徒たちが、やがて主体性を発揮していろいろな提案を具体的な形で表現するようになる。「それは大いに良し」と学校側も受け止めているように思える。
なによりも在校生・卒業生が「この学校の生徒でよかった」という思いや強いプライドを持っている。そんな空気にぜひ一度触れてみてほしい。

(文責:A.M)

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