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2023 第6回 恵泉女学園中学・高等学校
恵泉女学園中・高 校舎外観
世界に目を向け、平和を実現する女性を育てるために「自ら考え発信する力を養う」という教育理念を掲げる恵泉女学園中学・高等学校。
6月13日に開催された説明会の冒頭で、本山校長先生は「こんな時代だからこそ、こういう女性を育てることが使命である」と、昨今の世界情勢を憂慮し語られました。
人のことを思い、仲間と協力し、チームワークや行動力のあるピースメーカーを育てる——。そんな恵泉女学園の3つの教育基盤に触れる機会となった説明会の内容を、一部ご紹介いたします。
学校名 | 恵泉女学園中学・高等学校 |
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所在地 | 東京都世田谷区船橋5-8-1 03-3303-2115 小田急線 「経堂駅」「千歳船橋駅」より 徒歩約12分 |
ホームページ | https://www.keisen.jp/ |
■学校概要
〈 沿革 〉
創立者 河井道
1929年 自宅を開放し普通部5年制の学校として開校
1947年 3年制の中学校と3年制の高等学校に
2011年 併設型中高一貫校に認定
〈 礼拝と感話 〉(自由服)
生徒の主体性を伸ばすという目的のもと、聖書教育として、「礼拝」と「感話」を教育の土台としている。聖書教育というとキリスト教になじみのない家庭は身構えてしまうところもあると思うが、「本校に通う生徒は100%キリスト教徒というわけではないのでご安心ください。生き方を教える上で、聖書を活用しているのです」とのことだ。
礼拝では、讃美歌をうたい聖書を読むほかに「感話」(自分の考えをまとめて他の生徒たちの前で発表する、いわゆるスピーチ)が行われ、年3回他の生徒の前で発表する機会があるという。
中学1年生で原稿用紙2,3枚程度、高校生にもなると原稿用紙7,8枚分もの内容を書く生徒もいるとのこと。自分としっかりと向き合い、意見を対外的に発信することを習慣づけて、精神性の底支えとなる力を身につけることを目的としている。
「感話」は恵泉の教育の特徴として必ず語られるが、“自身で考える”という点では「自由服」も特徴的だ。恵泉では制服はなく「遊ぶ時と学ぶ時の服装を分けて考える」という基準のもと、各自学校にふさわしい服装で登校している。
授業を見たところでは、中学生は落ち着いた服装の生徒が多く、高校生はブラウスとプリーツスカートというような制服っぽい服装に落ち着く生徒が多いように感じられた。
〈 園芸 〉
恵泉では、校内に1カ所と学校近くの敷地に2カ所農園を設けている。1年生と5年生(高校2年生)は週2時間の必修。30種類の草花や農作物を育て、収穫まで行う。
特に中学1年生は、振り分けられたチームで協力しながら作物を育て収穫するという過程でチームワークがはぐくまれ、仲間と力を合わせることの大切さを学ぶという。
その他、東京農業大学からたい肥をもらって肥料にしたり、醸造を学んだりするプログラムなどもあるということだ。
■2023年 進学状況
STEAM教育において幅広く芸術教室を設けていることもあり、芸術系大学進学に強い学校上位9位に入っているという恵泉女学園。
2022年の芸術・総合科学・体育系への進学人数は31名。
また理系進学者が2020年:35名、2021年:48名に対し、2022年では64名に伸びている。
学校側は1年生から将来の目標を設定させて、実現に向けて自ら考え努力できるような進路指導を行っている。6年生(高校3年)にもなると、年6回以上の生徒面談や卒業生の話を聞く機会を設け、主体的に希望進路を決めさせる。基本的には“生徒のやりたいことを尊重する”という方針であるため、保護者から「難関大学を本人に勧めてほしい」と要望を受けることもあるそうだ。
現在卒業生のほぼ100%が大学に進学するという同校。学校としての難関大学への進学実績と生徒自身が描く将来の目標とのバランスが今後の課題だと言っていたが、“やりたいことをとことん追求したい”生徒にとっては、学校が心強いバックアップとなるという印象を受けた。
■所感
渋谷から6分、新宿から10分の「経堂」駅から徒歩で約12分と、アクセスにも恵まれている恵泉女学園。6年後には創立100周年を迎え、今回説明会が行われた聖堂も建て替えが計画されているなど、ますます魅力を増し、充実した学習環境になることが期待できる。
現在は8月31日まで視聴できるWEB学校説明会を開催中。9月9日(土)には第3回学校説明会が開催され、こちらはまもなく予約開始となる。
また、平日やクラブ活動のある土曜日や夏休みの期間に、恵泉の先生が学校を案内してくれる「学校見学」も受け付けている(学校見学は、2日前までの電話事前予約が必要)。
校舎の中央に構えるメディアセンターをはじめ、“この学校に通っている自分の姿”を想像したくなるような魅力的な施設が多い同校。受験をお考えの方は「是非学校へおいでください」と学校側が発信しているとおり、機会をつくって実際に足を運び、施設だけにとどまらない恵泉女学園の魅力を感じていただきたい。
文責:A.O