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2023 第8回 富士見中学校高等学校
富士見中・高 正門
教育目標として「社会に貢献できる自立した女性の育成」を掲げているという富士見中学校高等学校。「私はこの話をするときは、あえて“女性”を“ひと”と読んでいます」と佐藤校長先生はひとこと付け加えられました。
生徒たちが中高6年間で、さまざまな課題に主体的に取り組める“ひと”として成長するために――。学校の取り組みについて、説明会の内容から一部ご紹介いたします。
学校名 | 富士見中学校高等学校 |
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所在地 | 東京都練馬区中村北4-8-26 03-3999-2136 西武池袋線 「中村橋駅」より 徒歩約3分 |
ホームページ | https://www.fujimi.ac.jp/ |
■学校概要
〈 沿革 〉
創立者 山崎種二・深井鑑一郎
1924年 富士見高等女学校として発足
1947年 富士見中学校設立
1948年 富士見高等学校設立
2018年 新校舎完成
〈 探究プログラム 〉
中学1年から高校3年までの6年にかけて、ステージ分けされた探究プログラムに取り組む。中学では1年時の「問う」というテーマから始まり、中2「調べる」、中3「伝える」というように、“物事に疑問を持ち、調べ、それを対外的に発進する力”を3年間で育む。
具体的なプログラムとしては、中学2年生の「ねりま探究」が紹介された。生徒たちはグループで地元、練馬の地域情報を収集した上で、街をよりよくする提案を考え、練馬区役所 協働推進課の職員の方を校内に招いて提案するというプログラムであった。中3になると、自分で決めたテーマについて個人で探究活動を行い、その内容を電子書籍化して一つの形として残す経験をするそうだ。
中学で身につけたこの力を磨きながら、高1からは「社会の課題を知る」というSDGsをテーマとした探究に着手。さらに、将来の“社会で貢献する自分の像”を意識させる高3の「自分のキャリアを考える」というテーマへとつなげていく。高2・高3で取り組む「学びの履歴書」という卒業研究は、1万字にも上る論文を完成させる探究プログラムの集大成だ。この経験は、大学で、また思考力を問われるこれからの時代で求められる力の礎となるだろう。
■進学状況
〈 卒業生の進路 〉
現役生の大学進学率は90%
2023年度卒業生90人のうち、国公立大進学26名、難関私大進学65名。
国公立、早慶、GMARCHなどへの進学実績をあげている。
理系進学者が数を伸ばしている点にも着目したい。
学校推薦型選抜での進学者は14名
評定に足りている学生でも、3者面談、4者面談を繰り返して、慎重に志望校を決めていくようにしているとのこと。
■2024年度入試
〈 2024年度入試の変更点 〉
入試当日の流れはコロナ禍前の対応に概ね戻す方向だという。
具体的に今回の説明会で話にあがったのは
・教室の割り振り → 1教室35名程度に戻す
・午前入試の試験時間 → 1教科につき5分短縮されていたが元に戻す
(国語、算数:各50分、社会、理科:各40分 となる模様)
上記に伴い、問題数も各教科増える見込みだが、“思考力を問う問題を増やしていく”という方針から、劇的に問題数が増えるというわけではないとのこと。
〈 算数1科型入試 〉
2月2日 午後 算数1科型入試についても変更が予定されているようだ。
・解答用紙をA4サイズからA3サイズへと、大きい用紙に変更。
部分点で加点のある問題が増える。
〈 第一志望優遇措置 〉
第一志望優遇措置として、合格ボーダーラインや繰り上げが出た際に優遇される。
ただし、前述の算数1科型入試は対象外とのこと。
■所感
西武線で池袋から6つめの中村橋駅から徒歩約3分とアクセスのよい場所にある富士見中学校高等学校。2018年に耐震強度の観点から建て替えたという新しい校舎には創業者 山崎種二のコレクションであった貴重な絵画が飾られ、広々とした空間使いがとても美しい。生徒たちは、こうして「本物の芸術」に触れながら日々を過ごしている。
訪問時、校庭ではちょうど体育の授業が行われており、生徒たちが私たちを見つけて笑顔で手を振ってくれた。座談会に登壇したOG生も含めて、生徒は皆明るくフレンドリー。今も昔も変わらず、伸び伸びと学校生活が楽しめているのだなという印象をもった。
今後は、全学年を対象とした9月・11月のオンライン説明会のほか、夏休みの校内案内、さらに5・6年生を対象としたサマースクール(授業体験)も8月1日・2日に開催される。
その他、平日の放課後個別見学も随時受け付けているとのこと。
駅からすぐの好立地、機会があれば一度足を運んでみてはいかがだろう。
文責:A.O