昨今の医学部入試では “滑り止め”に落ちても落胆するな
カテゴリ : 医学部受験
今年の大学入試を見ていてあらためて思うのですが、昨今の医学部入試では、慶應・慈恵・順天・日医等の私大医学部上位校から見て、「その次のランク」に該当する学校が、かなり難化してきています。
滑り止め目的の受験が増えたのか、1次試験の志願者数、受験者数が増えて倍率が上がり、数年前だと「この位勉強を仕上げておけば合格可能性は高い」と見込んでいた受験生が不合格になるケースが多数見られるのです。
今年は特にこの傾向が加速しているようで、日医クラスに合格しても昭和・東邦クラスが不合格といった逆転現象が、例年より多く見られます。
実際、名門会の国公立医学部受験組でも、「このクラス以下は受験しない」という線引きをせずに、難易度(序列)ランクを絶対視せずに私大受験をする生徒が増えてきています。
そして、東大理Ⅲや旧帝大医学部をターゲットにしている最上位クラスの生徒でも、私大は順天、慈恵、慶應しか受けないといった「横綱相撲」をとる生徒が少なくなってきています。
なぜそのような現象が起きているのでしょうか?
理由の1つとしては「学費の値下げ」が挙げられます。
例えば、2014年度に帝京大学が6年間の学費を1000万円以上引き下げた結果、受験倍率は一気に跳ね上がりました。2015年度には東海大学も学費を引き下げており、やはり倍率は上がりました。
「学費を下げたら受験者数が増えて倍率が上がり偏差値も上がった」という現象は今後も続いていきそうです。
単純な学費引き下げだけではなく、一般試験の上位合格者の学費のみを下げたり、北里大学のように特待生制度の免除金額に格差をつけたり、慶應大学医学部でさえ最上位の受験生を対象に返済義務のない奨学金制度を導入して国公立の医学部に優秀な生徒が流れないようにしたりで、優秀な生徒を獲得しようとする私立医大の試みは様々です。
このような状況もあり、医学部入試の合否ラインというのは年々予測の難しいものになっています。ボーダーライン付近にいる生徒はもちろんのこと、優秀な生徒でも結果が出るまでは気が抜けません。
ですから、これから国公立・難関私大の医学部入試を控えている皆さん、もしあなたが“滑り止め”に落ちていたとしてもあまり悲観しすぎないでください。
滑り止めに落ちて、気を落とさない人はいませんが、受験当日に普段の実力を発揮できるよう、モチベーションの維持に努めましょう。
『医師になる!』という高い志のために頑張っている受験生を、名門会は心から応援しています!
文責: T.K