実際に話を聞いて肌で感じた学校情報 第3回 成蹊中学・高等学校
名門会教務本部の担当者が、実際に学校を訪問してみて、肌で感じた生の情報をご紹介!
第3回目の今回は、成蹊中学・高等学校をご紹介します。志望校、併願校を選ぶ際の一つの参考になれば幸いです。
学校名 | 成蹊中学・高等学校 |
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所在地 | 東京都武蔵野市吉祥寺北町3-10-13 |
ホームページ | http://www.seikei.ac.jp/jsh/ |
■学校概要
- 1914(大正3)年創立の共学校。
1914年に中学ができ、その後1925年に高校がつくられた。大学はさらに後の1949(昭和24)年の設立。したがって大学と併設されているが、付属校ではなく独立した中学・高等学校になっている。 - 中央線・吉祥寺駅からバス5分(であるが、バス停・成蹊学園前(=大学正門)から中学正門までさらに徒歩8分程度かかる)
■入試情報
2/1と2/4の2回入試(4科、面接は無し)、2/1に帰国生枠入試も同時に行っている。
定員は2/1は男子50名・女子35名、2/4は男子25名・女子20名。
◯2016年度中学入試
2回ともに志願者が大幅に増えた。
増えた要因について学校は「成蹊の『伝統』と『革新』が評価された」結果だという。はなはだ抽象的でわかりにくいが、実際その通りだと思う。
◯2017年度入試
変更なし。
■進学実績
- 成蹊大学へは希望すればほぼ全員が推薦資格を得られる。今春成蹊大学に進学した生徒は56名(卒業生321名、17.4%)。
- 東大3名(理Ⅲ・理Ⅱ・文Ⅲ各1名、すべて現役生)。
- 国公立大学43名(現役24)。早稲田大56名(48)、慶應大55名(45)、上智大39名(31)、東京理科大36名(25)など。
- 難関大学への進学者も多いが、この学校の特徴は芸術系の大学や海外大学への進学希望者が多いこと。東京芸大にはほぼ毎年合格者を出している。
- 医療系学部への進学希望者も多く、医学部医学科へは卒生を含めて毎年40~50名程度の合格者を出している。
■教育の特徴
- 「個性の尊重」を建学の精神としている。
- 国際理解教育には早くから積極的に取り組み、1945(昭和24)年にはアメリカ・セントポール校との交換留学を開始している。その後もアメリカ・カナダ・オーストラリア・イギリスなどの著名校と提携を結び、生徒の国際理解・国際教育を積極的に推進している。
- 併設の大学を含めて敷地は広く自然が豊かである。その環境を利用して実際の動植物に触れたり、野外での実験・観察をしたり、特に理科分野において机上の学習では得られない経験を積ませている。
- 1926年から始めた気象観測は1959年に正式に成蹊気象観測所ができ、以来気象庁・気象観測法に準じた観測を毎日朝9時に行っている。
- カリキュラム的には知的好奇心・科学的探究心を高めることに重点を置き、高3からは文系・理系に分かれ必修選択科目で18のコースを設定する。授業は推薦希望者・受験希望者が混在する中で進められ、各自のさまざまな進路希望を実現するための学習環境を用意している。
- 近年流行のアクティブラーニングやグローバル教育など、世間一般で叫ばれるよりもかなり以前から着実に実践してきている。生徒募集のためのにわか仕込みの改革を宣伝する学校とは一味もふた味も違う、本物の教育を行ってきた。それが『伝統』であり、そこに一歩先を行く『改革』が息づく。
■学校を訪問してみての感想
- 付属校ではないが、ある部分大学進学が保障されていることもあり、学校全体にはのびのびとした空気が広がる。
- 高校の職員室は広く敷居はなく、生徒が自由に出入りできる空間になっている。多様な考えを持つ生徒に対して決して壁は作らず、いつでもどこでも対応できる開かれた設計となっている。
- 「ここ数年でようやく個々の生徒の希望に添えるようになってきた」という教員の謙虚な言葉に、自信と自負、そして今後の可能性を感じる。
■名門会担当者より一言
大学受験指導に特化しない学習指導方針に物足りなさを感じる向きもあるかもしれない。
しかし、中高6年間で得られる生きた知識・経験は、個々生徒の取り組み方次第で大きな宝物にすることはできるはず。
他では得られない貴重なものを手にすることができる、そんな環境は用意されている。
(文責)A.M.