実際に話を聞いて肌で感じた学校情報 第7回 城北中学校・高等学校
名門会教務本部の担当者が、実際に学校を訪問してみて、肌で感じた生の情報をご紹介!
第7回目の今回は、城北中学校・高等学校をご紹介します。志望校、併願校を選ぶ際の一つの参考になれば幸いです。
学校名 | 城北中学校・高等学校 |
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所在地 | 東京都板橋区東新町2-28-1 |
ホームページ | http://www.johoku.ac.jp/ |
■学校概要
- 1941(昭和16)年創立の男子校。1943年に新宿区市ヶ谷の仮校舎から現在地に移転した。
- 東武東上線・上板橋駅から徒歩10分。
- 「人間形成と大学進学」の二つを目標に掲げる。
■入試情報
2/1・2・4の3回入試。
募集定員は、115名・125名・30名。2016年度入試で2/1と2/2の募集定員を各5名減らした。
◯2016年度中学入試
志願者数の減少に歯止めがかからない。
第1回入試(2/1)が対昨年比で△102名(75.4%)、対一昨年で見ると△140名となっている。
第2回入試(2/2)は、昨年と比べると△4名とほぼ横ばいだが、一昨年と比べれば△141名となる。
学校は、本郷の2/1入試への参入などを志願者減の要因としているが、外的な理由以外にも考えるべき問題があるように思う。
特に2/1は第一志望の生徒を集めるための入試だが、志願者数の減少だけではなく、手続き率も88%と高い数字ではない。1割以上の生徒が他校へ流れていると考えられる。
2/2の追加合格者は9名。
◯2017年度入試
募集要項に変更はなし。
■進学実績
東大合格者は11名(現役9)と昨年の8名から何とか2桁に戻したが、1昨年の18名に比べると△7名になる。
早稲田大157名・慶應大74名・上智大30名・理科大133名など。
中学入試の合格偏差値の低下が、ボディブローのように今後の大学進学実績にも影響してくるのではないだろうか。
■教育の特徴
- 6年間を「基礎期」「錬成期」「習熟期」と2年ごとに分けて、それぞれが連動する教育プログラムを実践している。
- 中1・中2の英数の授業では少人数のクラス分けを行い、英語ではネイティブによる授業も取り入れている。
- 高2から理系・文系にクラスを分け選択授業を行う。理系は高2終了までに英数を仕上げ、高3で理科2教科を強化するカリキュラム。現状5:4の比率で理数系学部の志望者が多い。
- 多くの実験室や実験レポートの作成指導など、理科教育には力を入れている。
- 大型ディスプレイを使った授業なども行い、遅ればせながら校内のICT化を進めている。
■学校を訪問してみての感想
- 古き良き男子校の匂いが漂う。「自由でのびやかな男子校」というのが学校の宣伝文句。
敷地面積は40,000㎡、広い校庭はいまでは珍しい土のグラウンド。 - しかし『学校の進化』という観点から見ると、心もとなさを感じざるを得ない。受験生の人気低下・大学進学実績の伸び悩みに対して、学校として危機感は持っているが、具体的な打開策を講じられない現状がある。学校改革に生き残りをかけるような他校の動きに比べると、もどかしさを感じてしまう。
- 中学入試においては、開成中よりは武蔵中の受け皿的な色合いが濃いように感じる。
■名門会担当者より一言
生徒はのびのびと学校生活を送っている。生徒同士は仲間意識が強く、良く言えば、男子校の良さを体現しているようにも思える。しかし、一方でお互いにライバル視ができないような仲良し関係が学校の活性化を妨げているようにも感じる。そして、その点を学校側・教員側も問題として捉え切れていないような気がする。
2020年の大学入試改革に向けても「しっかりと対応している」と言うが、高3でようやくアクティブラーニングを取り入れている点を見ても、他校との取り組みと比較すると見劣りしていると言わざるを得ない。
良いところはいっぱいあるが、将来に対しての学校の取り組みの弱さの方が気になってしまう。
名門会から毎年多くの生徒が受験する学校であり、数々のドラマもあった。
だからこそ、将来にむけての学校の取り組みにもっと力をいれてほしい。
今後も男子生徒の成長を支える、良い学校であり続けて欲しいと心から願いたい。
(文責)A.M.