中学受験プロ教師の【受験算数】 vol.5 〜SAPIXなど進学塾に通う皆さんは必見!〜
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みなさん、頑張っていますか?
春は天気が変わりやすいので体調管理に気をつけてくださいね。
まず先週(ブログvol.4<4/7号>)の問題から振り返ってみたいと思います。
場合の数の普通の問題ですが、答が大きくなったので、不安を感じたかもしれません。
この不安が曲者で、実際の入試では大問題となります。
プレッシャーがかかる入試の最中にさらに不安が重なると、本来の力が発揮できなくなることも考えられるからです。
不安はいち早く取り除くべきでしょう。
通常、検算をして合っていれば、この不安は解消できます。
また、おおよその範囲内に答が収まっていれば正解の可能性は高いでしょう。
ところが、場合の数は検算が難しい上に、おおよその範囲もつかみにくい分野なのです。
場合の数は「書き出し」と「計算」という2つのアプローチ法が考えられます。
そこで、確かめのために両方でやってみるというのがかなり手堅い方法といえます。
また、先週の問題のように全体から部分を引いて答を求めた場合、確かめでは直接求めてみるというやり方もあります。
ただ、そこまでやる時間的な余裕はないことが多いでしょうから、やはり場合の数は厄介な分野といえるでしょう。
入試においては、場合の数は差をつけやすいので、得意にしておきたい分野ではありますが、必ず正解できるとも限りません。
なので、間違えても仕方ないと少し気楽に構えておけばよいと思います。
そうすることで不安を抑えることができます。
また、正解しにくいと感じたら一旦飛ばしておいて、最後に、時間まで粘るのが実戦的です。
今週の分野は『小数・分数』です。小数・分数は計算問題でその理解が問われます。
足し算・引き算は小数(帯分数)が、掛け算・割り算は仮分数が有利です。
小数⇔分数を適宜行えるよう日ごろから気を配りましょう。
また、今週の問題で取り上げた『循環小数』『既約分数』や『単位分数』等の言葉の意味や典型的な問題の解法をマスターしておく必要もあるでしょう。
当然、関連する分野の復習も大切になってきます。
『計算』『数の性質』のあたりで躓いている場合は、そこまで戻って理解する必要があるでしょう。
その際、ただ問題を解けるようにするだけではなく、数のしくみの本質に迫れれば、内容の濃い復習ということになるでしょう。
分数とは何か言葉で説明できますか?ぜひチェックしてみてください。
ある桁から先で同じ数字の列が無限に繰り返される小数のことを「循環小数」といいます。その中でも、0.123123123…のように小数第一位から循環がはじまるものを特に「純循環小数」といいます。
3つの数X、Y、Zについて、以下のことがわかっています。
①Xは3個の数字が繰り返される純循環小数である。また、Xを分数であらわすと分子が一桁、分母が二桁の既約分数(それ以上約分できない分数)になる。
②Yは6個の数字が繰り返される純循環小数である。また、Yを分数であらわすと分子が一桁、分母が三桁の既約分数になる。
③ZはXとYの和であり、6個の数字が繰り返される純循環小数である。また、Zを分数であらわすと分子が1で分母が一桁の分数になる。
(1) ③でZを分数であらわしたときの分母はいくつですか。
(2) Xとして考えられるものを全て求め、小数第三位まで答えてください。