「成績が上がらない勉強」からの意識改革
「あの人、あまり勉強しなくても成績が良いよね。」
そんな生徒が、必ずクラスに1人や2人はいるものです。
とても羨ましく思うのと同時に、「でも彼は(彼女は)きっと天才なんだよ」と、自分を納得させてしまった経験、ありませんか?
しかし、成績上位だからといって、必ずしも特別な頭脳を持っているとは限りません。むしろ素晴らしいのは「勉強の質」にあることが多いです。
実際のところ、そのような生徒も見えないところでちゃんと勉強をしています。勉強時間にそれほど差がないのであれば、質の高い勉強をしている生徒の方がテストで点をとれて当然ですよね。
そして、勉強ができる生徒に限って自分の勉強法について多くを語りませんので、頑張っても思うような結果が出ない生徒からすると、「勉強もせずに成績が良い生徒」たちが、意識しても仕方のない「特別な世界の人」に見えてしまうわけです。
そこで線を引いてしまうのではなく、自分の「勉強の質」が悪いだけだと気づくべきなのに、なんてもったいないことでしょう!
演習問題をきちんとやっていますか?
私の経験上、「頑張ってもなかなか成績が上がらない」という生徒は例外なく、「成績が上がらない勉強」をしています。
特に多いのが、
- 予習の内容はその日に決める
- 多くの時間をノートのまとめ・復習に費やす
- ひたすら問題集の解答を読んで覚える
というパターン。残念ながら、これではいくら勉強時間をかけてもテストで点が取れなくて当然です。
「1」の計画性のない勉強の学習効率が悪いのは説明不要でしょうが、「2」「3」については何がいけないのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか?
理由を説明しますと、「2」「3」はいずれも知識をつけるための作業であり、それだけに終始してしまうのは、テスト対策としては不十分だからです。
テストが暗記問題だけならそれでも良いのでしょうが、入試でも、定期テストでも、実際のテストでは、知識と同じかそれ以上に「思考力」が必要となります。
思考力を養うにはひたすら問題を解くしかありません。つまり問題演習が重要です。
もちろん、テストで高得点を取るには知識も重要ですが、バランスが大事。
時間数の多い少ないで言えば、
「問題演習」 > 「予習・復習」&「暗記」
というスタンスの勉強が望ましいです。
いかがでしょう、あなたは(あなたのお子さんは)、毎日どれだけの問題に取り組んでいますか?予習・復習や暗記ばかりに終始していませんか?
実際のところ、私の経験上、成績が良い生徒ほど、問題演習を進んでやります。
点を取るための勉強への意識改革
生徒たちはただでさえ、放っておくと勉強の目的が知識を得ることそのものになりがちで、とくに自分の好きな教科にばかり時間を割いてしまいがちです。好きなことを覚えるのは楽しいですからね。
趣味のための勉強であればそれでも良いでしょう。しかし、テストのための勉強であれば、あくまで「良い点をとる」ことを目的に日々の勉強に取り組むべきです。
「あまり勉強もしないで成績のよい生徒」は例外なく、そのあたりの意識が身についています。ならば、あなたも(あなたのお子さんも)、今から「意識改革」してみませんか?
何度も繰り返しますが、テストで良い点を取るためには、知識をつけるだけでなく、問題演習をたくさんこなす必要があります。スポーツを例にあげれば、どれだけ身体能力を高めても、ろくに練習試合をせずに試合に勝てないのと一緒です。
まずは1教科だけ、次のテストまでだけでも構いません。
【次のテストに出る問題の範囲を見定め、最低3回はテスト範囲の問題集を終わらせるつもりで、スケジュールを立てて日々の勉強に取り組む。】
このことを意識してみてください。たったこれだけで勉強の質が大きく変わることを、すぐに実感できるはずです。
早々にテストの範囲を一巡することで学校の授業の予習にもなりますし、授業が復習にもなります。問題を解くのに足りない知識や弱点が早々にわかり、限られた時間を有意義に使えるようになります。
とくに受験生の親御さん。伸び悩みに苦しんでいる生徒は「間違った型」にはまり込んでいて、自分ではもうどうしようもなくなっているものです。はじめは嫌がっても効果を感じれば子供は素直です。しっかり導いてあげましょう。
一人でも多くの生徒が、「勉強もせずに成績のよい生徒」と思われる存在になるよう、心から応援しております!
文責:T.K