中学受験プロ教師の【受験算数】 vol.2 〜SAPIXなど進学塾に通う皆さんは必見!〜
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前回(ブログvol.1 <3/21号>)の問題はいかがでしたでしょうか?
わりと難易度の高い問題だったと思います。
問題を読んで距離の11kmや550mに違和感を覚えた方はなかなかセンスが良いと思います。
ここで問題を作成する段階でのエピソードを一つ。
実は、最初は10kmで問題を作る予定でしたが、早まる時間が分数になってしまいました。
そこを10分にし、さらに答も変な分数を避けるために11kmにしたという事情です。
これは実際の入試問題にも当てはまっています。
問題文に出てくる数字がすっきりしない場合、解答がシンプルな数になるケースが多いことはご存知でしょうか?逆に、問題文の数字がシンプルな場合は解答がどうなるかはわかりません(過去問を分析してある程度傾向を知ることはできますが・・・)。参考にしてください。
3月も下旬、いよいよ春期講習がはじまります。
進学塾では、春休みのようなまとまった休みを利用して、今まで習ってきた内容の復習をおこないます。新6年生では、SAPIXも『割合』『平面図形』『立体図形』『グラフ』『規則性』『場合の数』を扱います。どの分野も重要だが、この中で特に重要なのは『割合』と『平面図形』でしょう。
ただし、αクラスのような最上位クラスの生徒は、特に点数差がつく可能性が高い『立体図形』と『場合の数』が大切です。
一般的な生徒にとって、なぜ『割合』と『平面図形』が重要なのか・・・。
基本的に、算数は“積み重ねの教科”です。『割合』と『平面図形』がベースとなって、その上にこれから習う他の分野が続いてくるからです。“土台”となる分野なので、『割合』と『平面図形』がぐらついてしまうと、“算数全体の点数”が崩れてしまう恐れがあります。
『割合』が苦手な生徒は、“元にする量が何か”をしっかりと認識してください。
場合によっては、『比』であらわす柔軟性があると計算作業がグッと楽になります。
また、平面図形は“形”を頭の中に取り込んでおくことが重要です。“形”と“解法”をある程度結び付けておくとスピーディーに解けるようになります。
是非、この春休みを利用して、自分にとって“土台”となる重要な分野を強化してください。
ある倉庫の荷物全部を運び出すのに、Aは12時間、Bは20時間、Cは15時間かかる。2人で協力して運び出すと効率が良くなって、AとCだと6時間、BとCだと6時間40分で運び出すことができる。
今、このような2つの倉庫甲、乙から荷物を運び出すことになり、Aは甲倉庫、Bは乙倉庫を受け持って同時に仕事を始めた。
(1) 最初はCがAを手伝い、甲倉庫が空になってからCがBを手伝うとすると、何時間何分で両方の倉庫が空になるか。
(2) CがはじめはAを手伝い、途中からBを手伝って、両方の倉庫が同時に空になるようにすると、何時間何分で空になるか。