さらに難化が予想される私大入試! なぜ今、難化しているの?
カテゴリ : 大学受験
2018年度入試の大きな特徴として、私大入試が大幅に難化したことがあげられます。
では、なぜ大幅に難化したのでしょうか? 今回は難化の背景と原因について押さえるとともに、2019年度の入試に向けた話をしたいと思います。
■2018私大入試 難化の背景
- 合格者数の大幅な減少
特に首都圏、関西圏の上位校は、軒並み大きく合格者が減少しました。
例えば、早慶上智理科大の首都圏上位校では1,841名減、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)では6,893名減などです。(いずれも対前年比の合格者総数) - 志願者数の増加
少子化が進んでいるのに「なぜ?」と思うかもしれませんが、私大入試の入試形態の多様化が進んだため受験機会(*)が大幅に増大しました。
併願数も増えており、結果的に志願者数が増えて倍率が上がっています。
*センター試験を利用した入試を実施する大学は増え続けていますし、1回の試験で学部横断の受験ができる入試なども増えています。
では、受験機会を増やしてきている大学側が、なぜ合格者数を減らすのでしょうか?
《原因1》私大入学定員の厳格化
「地方創生」政策の一環として、大都市圏の大学に学生が集中するのを抑え、地方に振りわけたいという意向から、政府は「私学助成金」を交付する条件を厳しくしました。
国に報告している入学定員に対する、実際の入学者の割合=「入学定員充足率」の基準を厳格に守らせ、基準を超えた大学にはペナルティとして、私大の収入の約10%を占めるといわれる「私大助成金」を交付しないことにしました。
さらに、その「入学定員充足率」の基準も年々厳しくしており、10年前1.4倍だったものが、段階的に引き下げられ、2018年度は1.1倍になっています。さらに来年度以降も引き下げる方針のようです。
これまで私立大学はある程度入学辞退者を見越して、合格者数を多めに出して人数を調整していましたが、この政府の方針により、基準を超えることができない大学側は、
必然的に合格者数を抑えざるを得ない状況になっているのです。
《原因2》追加合格の連鎖
合格者数を抑えたことによって、定員に満たなくなった大学は追加合格を出さざるを得なくなりました。例えば上智大学は、3月に600人以上の追加合格を出しました。そして上位校が追加合格を出したことで、玉突きのように中堅校から下位校へと追加合格の連鎖が続きました。
受験生の中には入学手続きが終わった後に、本命校からの追加合格の連絡が来たため、手続きをした入学を辞退して、入学金(返還されないケースがほとんど)を諦めて、追加合格の来た本命校に入学手続きをし直したというケースもあったようです。
追加合格は学校側にも、受験生側にも大きな負担になっているようですが、来年の私大入試でもこの傾向は大きく変わりそうにないと思われます。
■さらに厳しくなることが予想される2019年度入試
私大入学定員の厳格化という政府の方針が変わらない以上、2019年度も2018年度同様の厳しさが予想されます。さらに翌年に控える入試制度改革、予測の立てられない新制度での受験を嫌って、何とか現行入試制度のうちに大学合格を、という心理が働くのは間違いないでしょう。
つまり2019年度入試はさらに厳しいものになることが予想されます。
では、この厳しい状況の中で何かを特別に対策をしていく必要があるのでしょうか?
いえ、その必要はありません! 厳しい状況だからこそ、やるべきことを
やるべきことが何なのか? やりきるとはどういうことなのか? わからなければ、一度プロの先生に相談してみましょう。《詳しくはこちらから》
文責:H.Y