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第8回 開智日本橋学園中学・高等学校

カテゴリ : 中学受験, 学校情報

2015(平成27)年に校名変更・共学化を行い、今春その一期生が卒業を迎えた開智日本橋学園。今年の4月から改革7年目に入り、新たな教育方針も浸透・定着してきているようです。
今回は、1905年創立の前身の日本橋女学館から120年近く日本橋の地で学びの場を提供してきている開智日本橋学園の学校説明会を紹介します。良き伝統に新たな教育理念が加わり、次世代型教育の推進校として広く注目を集める学校となっています。

学校名 開智日本橋学園中学・高等学校
所在地 東京都中央区日本橋馬喰町2-7-6
03-3662-2507

JR総武線・都営浅草線 浅草橋駅 徒歩3分
ホームページ https://www.kng.ed.jp/

校舎外観
校舎外観

■教育の特色

〈 進学校として 〉

さいたま岩槻の開智中学・高等学校の進学指導ノウハウを引き継ぎ、その上にグローバル・英語・ICT等、時代に必要な新しい教育を推進する。

〈 生徒の主体的な活動 〉

学び、行事、学校生活全般で、生徒の主体的な活動を大切にする。
学びにおいては、教師から一方的に教わるのではなく生徒が自らの意思で学ぶ「探求型の学び」を実践し、単なる知識の丸暗記ではない本物の学力を育てることを目指す。IB教育はその一環という位置づけとなる。学校行事その他の活動は、教員は適宜助言を与えるという立場で、企画・立案・計画などはすべて生徒自身によってなされ、活動の主体はあくまで生徒という形をとる。

〈 IB(国際バカロレア教育)の実施 〉

IBのMYPおよびDPの認定校となっている。MYPとは中等教育プログラム(Middle Years Programme)、DPは高等教育プログラム(Diploma Programme)のこと。中1から高1の4年間で開智学園の教育メソッドにMYPのノウハウを取り入れた探求型の学びを進め、多様な問題解決力、判断力、行動力を育成する。
「当校がIB認定校を目指したのは、従来からの探求型の学びをより強固なものにするためにIB教育の本質を取り入れようというのが第一の目的で、海外大学進学や英語力の強化はあくまでもその結果としてのものだ」というのが学校の主張である。IBの定める研修を受けた教員が生徒へのきめ細かいサポートを行っている。

〈 コース制(中1~高1) 〉

中学入学時にLC(リーディングコース)、DLC(デュアルランゲージコース)、GLC(グローバルリーディングコース)に分かれる。
LCとDLCは入学時には英語ゼロベースからスタートの生徒が対象。LCはIBを利用して全教科の学習を探求的に学び、英語や他の教科も段階的に英語での授業を実施するベーシックなコース。DLCはLCよりも英語で学ぶ機会を多くして、IB教育も本格的に実施するコース。
GLCは主に帰国生が対象で、入学時から英語による授業が多く行われる。またIB教育を本格実施し、評価もIBの基準に基づいて行っている。
今回の説明会の中で2022年度からはGLC・DLC・LCの全コースでIB・MYP教育を本格実施するという発表があった。今年度までは、LCコースはIBの要素を取り入れた従来からの開智メソッドに基づいた指導を行ってきたが、次年度よりLCコースもGLC・DLCコース同様の本格的IB教育を実施するようだ。

授業

■一期生大学入試結果(抜粋)

卒業生103名 (次年度からは卒業生見込150名程度となる)

〈 主な合格実績 〉

国公立大学:22名 ― 東大1、東工大1、お茶の水女子大1、千葉大3 など
医学部医学科:1名 ― 国際医療福祉大
早慶上理:38名 ― 早稲田大15、慶應大7、上智大4、東京理科大12
GMARCH:57名 ― 学習院大6、明治大9、青山学院大5 など
海外大学:5名

高2から各自の進路希望に応じて新たにクラス分けがなされる。
IB教育の継続を希望する生徒はDPクラスに進みIB教育の集大成に取り組む。その後DP修了生として国内・海外の大学進学を目指すことになる。
他の生徒は国内の国公立・私立大学への進学を目指して学習を進めるが、大学受験に必要なことはすべて学内で提供するという学園の強い意志のもと、数多くの少人数制講座や勉強合宿、放課後講習など、生徒の進路希望実現のために全力でサポートを行う体制は作られている。
今春卒業の一期生は、中学入学時の偏差値は全般的に高いとは言えない状況だったようだが、高2の初めに目覚めた生徒はそれまでの学びの蓄積がその後の成長へとつながり、最終的に本人が希望する進路に進むことができたケースが多かったと教務担任の先生から話があった。

■入試情報

募集定員・男女計130名。
受験回ごとにLC・DLCおよびGLCで合格者を出す。
2021年度は帰国生入試で応募者300名、受験者235名、合格者66名(実倍率3.6倍)、一般入試で応募者2710名、受験者1744名、合格者333名(5.2倍)という結果。2020年度に比べて帰国生入試・一般入試ともに応募者数・受験者数は伸びている。

LCとDLCの試験問題は同じ。受験の際にDLC判定を希望するかどうかを聞き、希望すればDLCおよびLCの合否判定を行い、希望しなければLCのみの合否判定を行う。

11月と12月に行われる帰国生入試はGLCコースのみで、英算国の筆記試験に加えて、英語による口頭試問・日本語による面接が行われる。2022年度では算国の試験時間が各30分→各50分に変更となる。

2科・4科選択入試は2/1AM、2/2PM、2/3PM、2/4AMの4回。基本的にLCコースとDLCコースが選抜対象だが、2/1AMだけはGLCコース希望者を対象とした英算国+面接という入試も同時に行う。募集人員は2/1AMと2/2PMが各25名、2/3PMと2/4AMが各20名。
適性検査型入試は2/1AMに適性検査Ⅰ・Ⅱで実施される。募集人員は10名。
2/1PMには特待生入試が行われる。4科or算数単科入試で、LCコース・DLCコースに加えて帰国生入試で合格した生徒(GLC)のうち特待生を希望する生徒にも受験機会がある。募集人数は30名。

志願者は江東区在住の生徒が最も多いが、文京区、世田谷区、大田区、港区、杉並区や船橋市、市川市など広範囲な地域から受験生を集めている。併願校も地域的に幅広く、広尾学園、広尾学園小石川、三田国際学園、かえつ有明など、PBL授業を前面に出す学校が上位に顔を並べる。都立両国、都立白鷗、九段中等教育・小石川中等教育など公立一貫校の名前も目に付く。
2022年度も、引き続き高倍率の入試になることが予想される。

■所感

校長先生を筆頭に先生方が元気である。どの学校にも強み・弱みはあるが、大きな理念の実現に向けて教員が一丸となった学校には可能性を感じる。
場所柄グラウンドも確保できないほどの手狭な佇まいではあるが、地上8階、地下1階の校舎を十分に活用して、生徒たちは生き生きと毎日の学校生活を送っている。特に英語学習については、18名のネイティブ+バイリンガル教員のもと、授業中に生徒同士がお互いに英語で会話を交わす様子が当たり前に見られ、帰国生ではない一般の生徒の中にも英語による日常が浸透していることがうかがえる。
高3生だけは向かいにある別館で過ごし、集中して受験に向けての勉強を進めている。来春卒業の二期生は、おそらく今年以上の進学実績を出してくれるだろう。
1Fのラウンジからはウッドデッキ越しに神田川の川面が見え、流れは墨田川へとつながっている。川岸につながれたままの屋形船がさみしいと担当教員も話していたが、街に賑わいが戻り、一日も早く本来の学校生活が送れるようになることを祈念したい。

文責:A.M

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