実際に話を聞いて肌で感じた学校情報 第34回 聖徳学園中学・高等学校

カテゴリ : 中学受験, 学校情報

名門会の担当者が、実際に学校を訪問してみて、肌で感じた生の情報をご紹介!
第34回目の今回は、聖徳学園中学・高等学校をご紹介します。志望校、併願校を選ぶ際の一つの参考になれば幸いです。

学校名 聖徳学園中学・高等学校
所在地 東京都武蔵野市境南町2-11-8
JR中央線・西武多摩川線 武蔵境駅 南口 徒歩3分
ホームページ https://www.shotoku.ed.jp/

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■学校概要

1927(昭和2)年、男子中等教育をおこなう関東中学校を創立。
1948(昭和23)年、新制・関東高等学校が発足。
1951(昭和26)年、学校法人聖徳学園に組織変更。幼稚園・小学校・中学校を併設し総合学園となる。
1976(昭和51)年、中学校名を聖徳学園中学校に変更し、小中の一貫教育を開始。
1991(平成3)年、高等学校名を聖徳学園高等学校に変更し、翌年から中高一貫教育を開始。
2017(平成29)年、13号館(STEAM教育に対応した施設)が竣工、4月から使用開始。

■入試情報

◯2019年度中学入試

募集人員105名(帰国生除く)
総出願者数702名、総受験者数556名、合格者数507名、入学者数78名(男子48、女子30)。
入学者の内訳は、選抜クラス24名(1クラス)、一般クラス54名(2クラス)。
※上記入学者以外に、併設の小学校からの内部進学者が9名(男子4、女子5)あり。

◯2020年度中学入試

〈変更点等〉

2/3を廃止して2/11を新設。
アピール入試を廃止し、プログラミング入試を新設。
英検4級以上取得者は、AO入試では英語試験を満点で免除、AM・PM入試では国語もしくは算数を満点で免除する。
合格基準は原則6割。

〈入試スタイル〉

以下5通りの入試スタイル
AM・PM入試 / 国算の2教科入試。
AO入試 / 国算英からの2教科選択+面接。本校第一志望者向け。
特別奨学生入試 / 4教科入試。7割以上の得点者は選抜クラスに。一般クラスへのスライドあり。
適性検査型入試 / 公立中高一貫校の適性検査に準じた入試(都立三鷹・武蔵)。
プログラミング入試 / マインクラフトまたはSphero(球体型ロボット)を利用して行う入試。

※AM・PM、AO入試は、国語・算数・英語各45分、各100点
※特別奨学生入試は、国語45分・100点、算数45分・150点、社理各20分・各75点
※適性検査型入試は、適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ各45分・各100点
※詳細は募集要項を参照

〈日程・募集人数〉

2/1午前 / AO(30名)、適性検査型(2科型・3科型各10名)、2科(10名)
2/1午後 / 2科(10名)、特別奨学生(4科、5名)
2/2午前 / プログラミング(5名)
2/2午後 / 2科(10名)、特別奨学生(4科、5名)
2/4午前 / 2科(5名)
2/11午前 / 2科(5名)

〈出題傾向〉

国語:大問4題
説明的文書(40点前後)、文学的文書(40点前後)、漢字の読み(10点)、漢字の書き取り(10点)
漢字の読み書きは漢検5級レベル、指示語・接続後・語句の意味を問う問題は頻出。
記述式問題は各大問2題程度。

算数:大問4題
計算問題、独立小問、文章問題2題。各問5~6点。
独立小問は、速さ・食塩・割合・角度・面積・体積・場合の数・年齢算など7~10問で、4つの大問の中では一番配点が大きい。

社会:大問4題
地理2題、計10問・30~35点。
歴史1題、10問・30~35点。
公民1題、5問・10点。
各分野とも語句記述・選択問題、正誤問題が大半。
公民分野は時事問題が出題される。地理・歴史分野はそれぞれ説明問題あり。

理科:大問4題
物化生地各4~6問。
生物・化学・物理各20点、地学15点。
基本的用語の選択・記述が大半、教科書を超えるレベルの出題はない。

適性検査型
完全に都立三鷹(2科型)・都立武蔵(3科型)に合わせた問題、独自色は出さない。

■進学実績

入学時偏差値に比べて大学合格実績が高い学校として、週刊誌等でも取り上げられている。
2019年度は卒業生176名に対して、国公立大学11名、早慶上理40名、GMARCH 69名などとなっており、さらに3年前にスタートした「難関国立大進学プロジェクト」の1期生が来春には受験を迎える。成果を見守ってみたい。

■教育の特徴

グローバル・ICT・アクティブラーニングを柱としたSTEAM教育を早い時期から推進し、他校をリードするような成果も出してきた。
国際感覚を身につけるためのグローバル教育においては、「日本を知って、世界へ」として、中1・中2では新潟県での田植え体験などを通して昔ながらの日本の生活や歴史・文化について学び、その上で中3時に約2週間のカナダ・ホームステイを行う。高校進学後は希望者を対象に、アメリカ・フィリピン・中国・ベトナム・ルワンダ・カンボジアの6カ国に行く2週間程度の研修旅行や、アメリカ・ニュージーランド・オーストラリア・カナダなどへの短期・長期留学もあり、留学中に現地校で取得した単位は卒業単位として認められ、同級生と一緒に卒業ができるシステムになっている。
3年前から取り組む教育改革は大学進学のみを目的としたものではなく、生徒の日常の活躍の場をより広げるための試みとして確実に花が開きつつあるように見える。校則もかなり緩やかなものに変えたとのこと。

■名門会担当者より一言

さまざまなアプリやシステムを導入して日常的な学びに直結したICTの活用を進めている。STEAM教育を通していろいろな問題解決の手法を経験し、ひらめいたアイデアを他者に伝えるために映像や音楽なども使いこなせるよう、新校舎には各種施設も用意されている。
進学セミナーなどのプログラムを含むプロジェクトチームによる進学対策は、今後の成果を期待したい。
どの私立学校も独自の特徴があり、またそれぞれの強み・弱みはあるが、ここには入学後6年間で生徒たちが経験できる数多くの発見がありそうだ。多摩地区は押しなべて生徒募集に苦労している学校が多いが、改革の勢いを失うことなく生徒の個性を活かすことのできる学校であり続けてほしい。

文責:A.M

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